★昔書いたもの(整理中)

川下りのスタイル
私の「川の通信簿」
日本百名川データベース
  もともと、犬は飼いたいと思っていた。
 佐々木倫子さんの『動物のお医者さん』の影響も少なからずあるが、これまで何回か犬を飼ったことがあり、その楽しさは充分に知っていたので。
 対象を「カヌー犬」としたのは、私の趣味が川下り(カヌーツーリング)であり、どうせ連れて行くなら、一緒に川下りができたほうが楽しかろうと思ったからである。野田知佑氏の影響も大いにある。ガクが、二人艇のカヌーの先端で、アラスカの荒野の匂いがこもった風を凛々しげに受け止めている姿を写真で見て、こんな旅がしたいなあ…、と憧れていた。

 ただ、犬を飼うことをためらうことがなかったわけではない。犬と川下りをするとなると何かと制約ができるためだ。たとえば、川へ行くのに電車やバスは使えないし、カヤックに乗ってカートホイールをする、といった遊びもできない。
 しかしそれでも、犬を飼いたいという気持ち、犬と川を旅してみたいという憧れのほうが強かった。あとは、飼うタイミングである。
 2002年の秋、その時期は訪れた。新人研修が終わり、配属が地元の大阪に決まった時である。

私にふさわしい「カヌー犬」はどんな犬か決まった。次は、それを成長のどの段階で、どのようにして手に入れるかである。
 犬の幼少期の育てられ方は、知能の発育の面などで非常に重要であるといわれる。そこで、母犬に育てられる期間がどれくらいあれば賢い犬に育ちやすいのかということになるのだが、これがまた、2ヶ月だったり、5ヶ月だったりと、本によって書いてあることが異なる。
 結局、引き取る時期は、生後二ヶ月あたり、ということにした。そう書いてある本が多数を占めていたから、という曖昧な根拠であるが。
 
 そうなると、ペットショップからの入手は基本的にはダメ、ということになる。というのは、ペットショップではカワイイ盛りの生後一ヶ月あたりから展示される場合が多く、母犬や兄弟犬から引き離されるのが早いからである。さらに、店にもよるが、まったく見知らぬ何人もの人間に四六時中刺激を与えられたりするとストレスも溜まるだろう。したがって、入手経路としては、知り合いやブリーダーから直接入手するのが最良と考えた。
 周辺の知り合いにはゴールデンを飼っていて仔犬を産ませているところがなかったので、ブリーダーから手に入れようかと考えた。しかし、ブリーダーというその道のプロに対して、「カヌー犬を育てたいんですけど…」などいった相談なんてできないなあ、なんて一歩引いてしまい、どうも気が乗らない。
 行き詰まった感があったが、結局、入手経路としては次善の策として第四の策を採ることにした。すなわち、知り合いの懇意にしているペットショップに頼んで、契約しているブリーダーから直接仔犬を取り寄せてもらうというものである。

 仔犬を選ぶときのポイントとして、好奇心が強い(物怖じしない)、固太りしている(ずんぐりむっくりしている)、眼・鼻・口・耳・肛門の周りがキレイである(病気をしていない)、歩き方が自然である(股関節形成不全など遺伝性疾患にかかっていない)ことなどが挙げられる。この第四の策では、以上のポイントに基づいて、たくさんいる仔犬のうちから最良の一匹を選ぶことができないというデメリットがあるため、賭けの要素がなくもない。しかし、通信販売なら不可能だろうが、最悪の場合は取り替えてもらえるからいいやと考え、この方法でやってみることに決めた。遠いところから運ばれてきた犬に対し、交換なんて、性格的にできないであろうということに薄々感づいていながらも…。

カヌー犬育成日記
犬選び編
犬を飼い始めた背景
犬を飼い始めた背景
 ところで、現在数多く存在する純粋犬種は、決して自然発生したものではなく、人間の使用目的に沿って長い間改良が重ねられ、作り上げられたという背景を持っている。早い話、純粋犬種の多くは種類ごとに何らかの専門分野を持ったスペシャリストであり、その専門的特性は外面(見た目)的にも内面(性格)的にも発現している。
 つまり、犬種とは単なる見た目だけではなく、性格の違いを示すものでもあるということである。もちろん、犬種でその犬の性格がすべて決定されるわけでは決してないが、ある本によれば、人工的に育種されてきたただけあって、犬種ごとの特性はかなりハッキリしており、その犬の個性のおよそ半分は犬種によって決められるという。
 だから、犬を飼うにあたっては、まずは犬種ごとの特性を把握した上で、自分の性格やライフスタイルにもっともふさわしい犬種を選ぶことが必要になる。

 「カヌー犬」を飼うことに決めたはいいが、そのような犬種は存在しない。したがって、数ある犬種の中から「カヌー犬」としてふさわしいものを探さなければならない。
 順序としては、以下のようにおこなうことにした。

 @「カヌー犬」にはどのような犬が向いているか考える
 A自分の日常生活にはどのような犬が向いているか考える
 Bどの犬種が自分の求める犬に一番ふさわしいか選択する

 選択は、純血種からおこなうことにした。「カヌー犬」として優秀かどうかは別として、雑種(ミックス種)では、純血種の持つ特徴の発現にバラツキがあるため、このやり方がうまく適用できないからである。

@「カヌー犬」にはどのような犬が向いているか
 「カヌー犬」に要求される能力はといえば、以下のようなものになるだろうか。
A自分の日常生活にはどのような犬が向いているか
 サラリーマンたる私の平日の生活といえば、朝は早く、夜は遅い。カヌーに行けるのは基本的に週末だけなので、ふだんはおとなしく留守番ができる犬でなければならない。つまり、「カヌー犬」としてだけではなく、「家庭犬」としても適した種を選ばなければならない。
 ポイントは、他人に迷惑をかけないこと、そして、躾に時間とエネルギーが比較的かけずに済むことである。具体的にすると以下のようになるだろうか。
Bどの犬種が自分の求める犬に一番ふさわしいか
 「カヌー犬」に向いている純粋犬種には、レトリーバー系、スタンダード・プードル、ウォーター・スパニエル系、ニューファンドランドを挙げたが、これらはすべて穏やか系で非常に賢い大型犬なので、優秀な「カヌー犬」と優秀な「家庭犬」とは両立できそうである。
 また、オスかメスかという問題がある。一般的にオスは縄張り意識が強く、メスは感情が細やか、穏やかで従順といわれる。私にとって優秀な「家庭犬」とは、躾がしやすく、おっとりした犬であるから、メスの方が向いているだろうと思われる。
 次に、手に入りやすいかどうかという現実的な観点から見てみる。すると、レトリーバー系のラブかゴールデンというところに落ち着く。他の犬種は国内ではついぞ見たことがなく、おそらく輸入しなければ手に入らないであろうからである。
 ラブとゴールデンでは、ラブの方が忍耐強く、ゴールデンの方が人なつこいなど若干の差異はあるらしいが、飼ったことがないのでよく分からない。基本的には短毛か長毛かという好みの問題になると思う。好みからいえば長毛種となる。
 したがって、私に最適な「カヌー犬」とは、ゴールデン・レトリーバーのメスという結論になる。
犬を飼い始めた背景
 以上のような経緯を経て、我が家へやってきたゴールデンレトリバー・ラナ(♀)。次のページでは、彼女を一人前のカヌー犬(+家庭犬)として育てるために考えたことについて記した。
文書の作成日 / 2003年3月21日
第一回改訂 / 2003年5月31日(内容の修正)
第二回改訂 / 2003年11月16日(内容の修正)
第三回改訂 / 2003年12月30日(内容の修正)
カヌー犬育成日記(育成方針編)

カヌー犬に必要な能力

適した犬種は…?

水が好きであること

元来水が好きな犬種としては、水辺で撃ち落とされた鳥などの獲物をくわえて持ってくるために作られたレトリーバー系、その他には同じく回収犬のプードル、ウォーター・スパニエル系、水難救助犬のニューファンドランドなどがいる。

泳ぐ力があること

主人が激流志向のため、激流でも流れにのまれず泳ぐ力が必要とされるので、必然的に力の弱い小型犬はアウト。上に挙げた水好きな犬種はいずれも中型犬以上なのでこの条件はクリアーしている。

乗り物酔いしないこと

車酔い、船酔いに強い犬種ってあるのだろうか? こちらは犬種の問題というよりは、どちらかといえば慣れの問題のような気がする。

初めての散歩。外を怖がっていた。
ちなみに、リードはスローロープ(笑)。

要求される能力

適した犬種は…?

留守番ができる

いたずらしない、何でもかんでも反応して吠えたりせずにおとなしくしているということなので、必要になるのは躾によく従ってくれて、おとなしく、わりと自立した性格を持った犬種だろうか。

無駄吠えしない

無駄吠えの原因の多くはストレスと躾不足という後天的要素が大きいらしいが、他人への警戒心が強い犬種はもともと吠えやすいらしい。

噛まない

噛む犬の多くはストレスが原因らしいが、他人に親近感を持たず、警戒心の強い、縄張り意識の強い犬種は噛みつきやすい傾向があるらしい。また、小型犬には神経質で興奮しやすく、噛みつきやすい犬種が多いらしい。

躾がしやすい

従順で、物覚えがよい、訓練性能が良いということになる。その点ではハウンド系やテリア、そり犬はあまり良くないと聞く。自立心が高い、悪く言えば頑固なタイプだと言うことをあまり聞いてくれないらしい。

性格が穏やか

あまり警戒心が強くなく、活動性も低く、のんびり、おっとりしているということ。大型犬にこのタイプが多い。

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