和歌山県に入ると紀ノ川と名を変えるが、奈良県では吉野川と呼ばれる。パドラーの間では、大歩危・小歩危を有する日本最大級の激流・四国三郎吉野川と区別して「奈良吉野川」と呼ばれる場合が多い(通称は「奈良吉野」「奈良ヨシ」など)。
関西圏パドラーのメッカともいうべきエリアであり、週末には数多くのパドラーが訪れる。その人気の秘密は、ダウンリバー(ツーリング)、スラローム、フリースタイルなど、ジャンルを問わず楽しめる点にある。たとえば、「ヤナ下の瀬」や「阿田橋前の瀬」、「天理教の瀬」ではスポットプレイが行われ、「芝崎の瀬」ではスラロームの練習が行われており、大会も催されている。
上流に大迫ダム、大滝ダムという二つの巨大ダムを抱えているが、吉野郡あたりでは、晩秋〜春であれば、水深3〜4m程度なら底まで見えるほど透明度が高い。底が泥を被っていて汚いのが気になるが、関西都市近郊の大型河川の中ではトップクラスの水質を持つといってもよいだろう。鯉ばかりだが、魚影も濃い。
瀬は二級前後のものが定期的に現れるので退屈しない。距離の長い瀬もなく、総じてリカバリーも容易である。ただし、増水(目安として160cm(五條観測所水位)オーバー)すると、瀬がつながって瀞場がなくなるので注意。
スポットができてダウンリバーもしやすい水位は100cm〜120cmあたりだろうか。120cmを越えるとダウンリバーはしやすいが、ホールが潰れる。100cmを切ると、各所で岩が露出し、瀬がかなりテクニカルになるので、ダウンリバーには岩避けの高いスキルが必要となる。
この川は鮎釣り師の間でも有名だが、この区間に限っては、ここ数年でほとんどいなくなったので、鮎釣りシーズン中でも気兼ねなく下れる。
都市から近くて、水もキレイで、波もそこそこある。釣り師はいない。理想的な川だが、その分パドラーも群がるため、シーズン中はやや過密気味なのがタマにキズ。
河川名 |
区間 |
距離 |
平均水位 |
回送 |
釣り
シーズン |
激しさ |
流れ |
水質 |
景観 |
水量 |
タイプ |
激流 |
清流 |
大河 |
奈良吉野川 |
梁瀬橋〜栄山寺橋 |
約10km |
1.0m(五條) |
○ |
○ |
4 |
5 |
7 |
5 |
5 |
41 |
68 |
50 |
水系名 |
紀ノ川 |
全長 |
136km |
流域面積 |
1,750km2 |
水質ランキング順位(H14) |
144/166 |
・回送(○…電車、バスの利用可 △…徒歩でも可能 ×…車が必要)
・鮎釣りシーズン中(○…下れる △…多いが、何とか下れる ×…自粛)
【川へのアクセス方法】
スタート地点は梁瀬橋のすぐ下流。両岸どちら側からでも川に入れるが、右岸側のほうが楽。右岸側に見えるボウリング場が目印となる。ゴールは栄山寺橋手前の自然公園で、右岸側から上陸する。赤い橋が目印になる。
この梁瀬橋〜栄山寺橋間のほぼ中間点となる「芝崎の瀬」「天理教の瀬」の下をゴールとするパドラーも多い。ただしこのハーフコースでは、クルマが必須となる。
*電車の場合
スタート地点へは近鉄吉野線下市口駅から2km弱、下流側に川沿いに進む。スタート地点付近の川原はキャンプ可能。ゴールからはJR和歌山線五條駅を利用。回送が必要な場合は、吉野口駅で近鉄線に乗り換えれば、下市口に戻られる。
*クルマの場合
右岸側エントリー地点にはクルマを停められない。付近に路駐(路肩が広いスペースがある)するか、左岸側の小さな公園のすぐ下流側にある小さな駐車場を利用する。ただし、この駐車場は自由に使ってよいものなのかどうかは不明。ゴール地点は栄山寺と緑水苑の間にある無料駐車場を利用する。
ハーフコースの場合は、芝崎の瀬、天理教の瀬一帯に豊富にある無料駐車場を利用する。ただし、車上荒らしが多発しているので注意が必要。
【川下りメモ】
その源に全国有数の多雨地帯、大台ヶ原(年間降水量 5,000mm以上)を持ち、中央構造線に沿って西流する一級河川。
梁瀬橋
栄山寺橋
阿田橋
五條駅
下市口駅
奈良吉野川データ
芝崎の瀬
天理教の瀬
テトラの瀬
阿田橋前の瀬
クランクの瀬
S字の瀬
第一の瀬
第二の瀬
カルディアの瀬
ヤナの瀬
瀬
二又の瀬
テトラの瀬
栄山寺卍
緑水苑
国道24号線
JR和歌山線
国道370号線
県道39号線
近鉄吉野線
カルディア
キャンプ場
神社下の瀬
瀬
至 吉野口駅
スタート地点
ゴール地点
以下では、スタート・ゴール地点やメインとなる瀬の写真と解説を入れていく予定です(現在作成中)。
@第一の瀬
E阿田橋前の瀬
2級。平水時はコースが二股に分かれていて、右岸側のコースの左よりを通る。他は浅くて下れない。上流側からは見えにくいので、初めて下る場合は要下見。落ち込みの下はホールになっていて、左側からの波に食われやすい。110cmを越えたあたりから、ウェーブに変わる。
2級。本流は左岸側。他は浅くて通れない。本流を正面突破する。平水時はキレイなストッパーができるので、プレイスポットとして有名。シーズン中はカヤッカーの行列ができる。ただし、120cmあたりからウェーブが崩れ、留まりにくくなる。
現在の水位…五條観測所(国土交通省【川の防災情報】)
文章の作成日 / 2004年2月7日
平水時は3つに分かれる、1.5級の瀬。
1つめの瀬の入り口にヤナがあるが、非常に浅い(100cmを切ると底を擦る)。中洲を越えると、急な右カーブの瀬になっていて、その下に有名なスポット「ヤナシタホール」がある。総じて減水時はかなりテクニカルな瀬となる。増水時は右岸側のインコースが安全なルート。
平水時は3つの瀬に分かれる。上から順に、2級、1.5級、1.5級。減水時はかなりテクニカル。
増水時は危険!
スタート地点
A第二の瀬
Bヤナの瀬
CS字の瀬
Dカルディアの瀬