スタート地点付近。
下島大清水という湧き水があり、
ちょっとした広場になっている。
国道472号線
県道320号線
小駄良川
国道256号線
ゴール地点
スタート地点
J島谷堰堤
A市島大橋の瀬
市島大橋
吉田川
【川下りメモ】
 岐阜県郡上郡明宝村烏帽子岳(1625.3m)付近を源流とし、八幡町市街地を横断して、長良川に注ぐ大支流。水源地付近はめいほうスキー場と呼ばれるスキー場がある。長良川との出合い付近まで峡谷が続き、とくに八幡町有穂地区付近は「天竜峡」と呼ばれる風光明媚な地として知られている。長良川出合いに至るまで最上級クラスの水質を維持する清流中の清流で、八幡町では町を象徴する存在となっている。夏場になると、地元の郡上っ子が新橋から川に飛び込むシーンが見られることは有名。
 しかし、カヌーで下る川としては、意外なほどに知られておらず、私の管見の及ぶ限りでは、これまで出版されたどの川下りのガイド本にも、この川のコースは紹介されていない。
 理由としては、まず、本流である長良川があまりに有名すぎて、その支流はどうしても霞んでしまうこと、次に、息つくヒマもない2級〜2.5級の瀬、瀬、瀬の連続で、岩が多いため非常にテクニカルなうえ落差も大きく、市販のガイド本で紹介するにはいささかレベルが高すぎることが考えられる。こうしたガイド本は初級者〜中級者向けに書かれることが多いからである。また、通常は浅くて下れず、雪解けなどの増水時のみ降下可能であるため、川下りの可否の見極めが非常に難しいこともこの川をマイナーたらしめている理由の一つであろう。
 極めつけは釣り師が非常に多く、2月からはアマゴ、6月からは鮎が始まり、川幅が狭いため2月〜10月のシーズン中はトラブル必至であることとあわせ、数多くの砂防ダムや発電・用水堰堤が存在し、ポーテージ回数が多いことが挙げられる。
 このように下れる時期がかなり限定されてしまう「幻の川」的な存在であるが、条件が揃えば、狭い狭い峡谷を極上の清流が流れる様子に、人界から隔絶された秘境を冒険しているような感覚を楽しむことができる。
河川名 区間 距離 平均水位 回送 釣り
シーズン
激しさ 流れ 水質 景観 水量 タイプ
激流 清流 大河
吉田川 市島の堰堤〜長良川出合い 約9km ?m(旭) × × 6 10 10 9 3 64 99 36
水系名 木曾川
全長 32km
流域面積 ?km2
水質ランキング順位(H14)
・回送(○…電車、バスの利用可 △…徒歩でも可能 ×…車が必要)
・鮎釣りシーズン中(○…下れる △…多いが、何とか下れる ×…自粛)
【スタート地点とゴール地点】
  川に下りられる箇所はかなり限定される。スタート地点は、ワンデイツーリングで下るに適度な距離(約9km)として、市島大橋より約200m上流にある堰堤下。左岸沿いに走る県道320号線を北上し、市島大橋を左に見て間もなく左へ側道があり、ここに入ると堰堤に出る。下島大清水という湧き水が目印。なお、この上流域も水量次第で下れるようであるが未確認である。
 ゴール地点は長良川との合流点に設定。左岸側から上陸する。ただし、八幡大橋下の島谷堰堤越えは労力を要するのでそれまでにゴールを設定したほうがいいかもしれない。なお、コース途上の太田内橋より上流域は渓谷で、道路と川までの高さがかなりあるため、ツーリング途上で上陸できないので要注意。

【アクセスと回送方法】
*電車の場合
 長良川沿いには長良川清流鉄道が通っているが、吉田川沿いには電車は通っていない。したがって、川へのアクセスおよび回送は最寄駅の郡上八幡駅からバスかタクシー、およびクルマかチャリで行う。
*クルマの場合
 東海北陸自動車道郡上八幡ICから国道156号線に入り、郡上大橋を渡ってすぐの城南にて左折、吉田川右岸沿いを走る国道472号線沿いに進む。左岸沿いを走る県道320号線からでも行けるが、一部幅が狭いため、走りにくい(自転車ならこちらのほうがオススメ)。スタート地点には数台駐車スペースがある。ゴール地点にも郡上大橋高架下などに数台の駐車スペースがあるのでそれらを利用する。
市島の堰堤〜長良川出合い
吉田川データ
現在の水位…旭観測所(岐阜県 川の防災情報)
鮎釣りの解禁日…長良川上流(Mamboo 鮎解禁情報)
文章の作成日 / 2004年5月12日
C大洞堰堤
K八幡橋下の瀬
A市島大橋の瀬
@市島堰堤下の瀬
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2.5級。若干瀞場を過ぎた後に現れる。市島大橋付近で若干流れを緩めた後、再び激しい瀬となる。橋の前後を延々と続く、落差の大きいテクニカルな瀬。
2.5級。二又に分かれている。入り口は両コースとも浅いので注意。右岸側の入り口が浅すぎて下れず、左岸側のコースから下る。左岸側のコースは瀬の終わりが左岸壁に直撃し、流れが直角に右に曲がっているので要注意。
@市島堰堤下の瀬
C大洞堰堤
E太田内橋下の瀬
D大洞堰堤下の瀬
B中央橋の瀬
中央橋下の瀬が終わるとそれまで全て瀬のようだった流れが突然穏やかになり、瀞場をしばらく漕ぐとこの堰堤が現れる。左岸側に民家(別荘?)あり。落差はそれほどでもない。左岸側に用水路、その右に魚道あり。魚道沿いにポーテージ可能。
堰堤の下、左岸側からがスタート地点。直後にザラ瀬があり、その後「市島堰堤下の瀬」に続く。
2級。太田内橋を過ぎてまもなく始まる瀬。
2級。流れの途中にテトラの残骸のような人工物があるので注意。この後、周囲が開け、若干川幅も広がるが、太田内橋まで2級クラスの瀬が延々と続く。
2.5級。中央橋の手前に大きな落ち込みがある。橋付近で若干流れを緩め、再び激しさを増す。瀬の終わりに流れが左岸側に当たっている。直後に大きな落ち込みがあるので要注意。この後に落差の大きい一段の瀬を過ぎると瀞場=堰堤のバックウォーターに入る。
2級。真ん中に大岩があり二又に分かれている。このあたりまで来ると、かなり川幅が広くなり、浅い箇所が増える。
これまでまばらであった釣り師が3人まとまっていたので、川に下りやすいか好ポイントかと思われる。
B中央橋の瀬
D大洞堰堤下の瀬
E太田内橋下の瀬
I小瀬
G石原堰堤
Jサルハダの瀬
I初納団地の瀬
中央橋
鶴佐橋
太田内橋
八幡大橋
縮尺:1/25,000
(地図上の4cmで実際の1km)
中央橋。直下に発電放水があり、
水量が増加する。
スタート地点
立光橋
旭大橋
小野橋
八幡橋
新橋
宮ケ瀬橋
郡上大橋
大洞谷
旭大橋。直下に堰堤あり。
Hアップルの瀬
G石原堰堤
旭大橋を越えるとすぐに現れる巨大堰堤。
左岸側が魚道になっており、そこからポーテージ可能。アマゴの好ポイントらしい。
2級。左岸側の建物にアップルという赤い文字が見える。ここから鶴佐橋までを過ぎて右岸側に初納団地が見えるまでは川幅が広がり、2級程度のザラ瀬が続く。
鶴佐橋。
3級。鶴佐橋を越え、広かった川幅が初納団地の横を過ぎたあたりから再び狭くなり、急流となる。その瀬の最後に落差の大きい落ち込みが一発。ストッパーが斜めになっている。中央のコースは岩があって浅いため、右側か左側から中央へ巻き込むようにして下る。
I初納団地の瀬
小野橋。ここから民家が立ち並ぶ。
八幡大橋。ここから市街地。
J島谷堰堤
K八幡橋下の瀬
L小駄良川出合い堰堤
ゴール地点
有名な新橋。このあたりは両岸に
家屋が立ち並ぶ。
F石原の瀬
F石原の瀬
Hアップルの瀬
八幡大橋直下にある大堰堤。左岸側から川沿いの遊歩道へポーテージできるが、段差が大きいためフネを上げるのに難儀する。ここから下流は八幡市街地。川沿いに遊歩道が走り、注目の的になる。とはいえここから下の瀬もかなり激しいので要注意。
2.5級。最後の難所。市街地の中を流れるといっても落差の大きい、かなり迫力のある瀬。ここを過ぎるとあの有名な新橋がある。
小駄良川との出合いの直下に現れる小さな堰堤。乗り越えられる高さであるが、魚が上りやすいように石を敷き詰めているのでフネでは下れない。左岸側からポーテージ可能。
国道156号線の走る郡上大橋と鉄橋をくぐり抜けると長良川と合流。左岸側が上陸地点となる。駐車スペース、トイレもある。キャンプも可能。
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