国道256号線
国道418号線
県道198号線
ゴール地点
スタート地点
武儀川
【川下りメモ】
 岐阜県山県市(旧山県郡美山町)と本巣市(旧本巣郡根尾村)との境にある尾並坂峠(340m)付近を源とし、旧美山町にて最大の支流神崎川を合わせ水量を増し、武芸川町を流下して岐阜市にて長良川に注ぐ支流。なお、神崎川の方が水量が豊富で流路も長く、実質的にはこちらが本流筋といえるかもしれない。
 非常に小さな川である。水量に比して川幅が広いため、水深が非常に浅く、平水時では喫水の低いフネでも数度のライニングダウンを強いられることになる。快適に下るためには、あと10cm〜20cmは欲しいところ。ただし、コース中にある徳永の大堰堤を魚道を使って越える際、トンネルを通過するのであるが(詳細は下記参照)、このトンネルには流木は引っかかっていることが多く、増水時はストレーナーになる可能性が高い。したがって、増水時の堰堤越えは絶対に止めておくこと
 平水時の瀬のクラスはせいぜい1.5級どまりの穏やかな川であるため、その点ではファルト向きではあるのだが、間違いなく底を破ることになる。ダッキーかポリ艇で下るのが無難なところである。
 水質は、最高クラス。とくに徳永堰堤までの区間は、どんなに深くても底一面に敷き詰められている玉砂利がはっきりと見える。ただ、惜しむらくは、堰堤の下以降から次第に濁りが入り、ゴールの美山大橋付近では、充分清流と呼べる透明度はあるものの、明らかに劣化しているという点である。
 徳永堰堤までは玉砂利ベース、堰堤から下若干大きめの石が占める割合が増える。とくに始めのほうに岸沿いの木々が川を覆うような形状をしている区間があり、そこでは人間の匂いをまったく感じさせない。総じて道路からの落差が大きいので、大自然の中にいる雰囲気を満喫できる。
 釣りについては、アマゴと鮎で有名。小さい川なので、トラブルは必至。鮎シーズン中は自粛したほうがよい。
河川名 区間 距離 平均水位 回送 釣り
シーズン
激しさ 流れ 水質 景観 水量 タイプ
激流 清流 大河
武儀川 落合橋〜美山大橋 約9km -0.5m(谷口) × 3 4 9 8 2 31 89 26
水系名 木曾川
全長 24km
流域面積 138km2
水質ランキング順位(H14) −/166
・回送(○…電車、バスの利用可 △…徒歩でも可能 ×…車が必要)
・鮎釣りシーズン中(○…下れる △…多いが、何とか下れる ×…自粛)
【スタート地点とゴール地点】
  スタート地点は支流神崎川が武儀川と出合う直前に架けられた落合橋の上。右岸側に旧美山町役場があり、ここから川に下りる道がある。傾斜が急なので注意。クルマは役場の駐車場を利用する。
 ゴール地点は美山中学校のすぐ下。登校橋と呼ばれる橋と、国道256号線が走る美山大橋との間にある。左岸側から上陸。クルマは中学校付近の空きスペースに停める。なお、ここから約2km弱上流にあるあみかけ大橋下をゴールにしてもよい。この場合は、右岸側から上陸する。

【アクセスと回送方法】
*電車の場合
 川沿いに電車は走っていないため、バスかタクシーでの移動になる。バスの場合、新岐阜駅(JR岐阜駅から徒歩5分程度)から岐阜バス岐北線(路線図)を使い、谷合で下車する。所要時間は約60分強。本数は90分に一本以下なので、時刻表は事前にチェックしておく。帰りは、美山大橋を右岸に渡り、美山南中前駅まで歩く必要があるが、あみかけ大橋をゴールにすればすぐに網掛駅がある。なお、山県高校前〜武芸谷口間の約2kmを歩けば、美濃からのアクセスも可能。こうすれば、長良川本流や板取川など別の支流も合わせて下れる。
*クルマの場合
 東海北陸自動車道美濃ICで下り、県道94号線沿いに西進、南下すると武儀川沿いに走る国道418号線にぶつかる。ここを道なりに北西方向に進み、落合橋を渡れば、目的地の旧美山町役場が右手に見える。可能であれば、徳永橋(青い橋)のすぐ下にある徳永堰堤を事前に下見しておくことが望ましい。
落合橋〜美山大橋
武儀川データ
現在の水位…谷口観測所(国土交通省【川の防災情報】)
鮎釣りの解禁日…美山町漁協(鮎釣りステーション)
文章の作成日 / 2004年6月24日
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落差がかなり大きいうえ、堰堤下の水深があまりないので下るのは厳禁。左岸側にある魚道を通って迂回する。魚道に至る前に「トンネル」をくぐる。詳細は下記参照。
佐野橋直前にある1.5級の瀬。流れが二又に分かれている。左岸側のルートを通る。右岸側は浅くて通れない。また、ヤナとなっているようである。
美山大橋
縮尺:1/25,000
(地図上の4cmで実際の1km)
スタート地点
富永橋
あみかけ大橋
神崎川
旧美山町役場から川に下りられる道がある。赤い橋は国道418号線が走る落合橋。
笹賀橋。
ゴール地点
@徳永堰堤
登校橋
県道200号線
椿谷
武儀川
佐野橋。
@徳永堰堤
B二又の瀬
佐野橋
美山橋
笹賀橋
落合橋
A堰堤下の瀬
美山橋。この青い橋を過ぎれば徳永堰堤。目印に。
愛相橋。
*あみかけ大橋とあべこべかも
登校橋とその奥に見える美山大橋。
B二又の瀬
あみかけ大橋。ここの右岸側をゴールにしてもよい。
愛相橋
富永橋。
日永谷
 清流なのに、川下りの世界ではマイナーな地位にある川がある。例えばこの武儀川がそうだ。
 こうした川にはそれなりに理由がある。例えば、通常は水量が乏しく、増水したときしか下れない。または堰堤(原則、落差15m以下の堰。15m以上はダムと呼ぶ)が多い。こうした要因がその川をマイナーたらしめているのである。前者は、下れる/下れないの見極めが難しく、後者は、危険だからである。ここでは、川下り上、最も危険な人工物のひとつである後者「堰堤」にスポットを当てて話を進めたい。

 堰堤は用水、発電、砂防などの目的(名目?)で設けられているが、その多くには「魚道」として比較的緩やかな段差を持ったコースが併設されている(実際に魚が登れるかどうかは別として)。したがって、川を下っていて堰堤に出くわした際、基本的には、
  @魚道を通って迂回 (例:相戸堰堤 /長良川)
  A取水口を通って迂回 (例:長瀬堰堤 /板取川)

して越えるパターンが最も多い。しかし、魚道などの施設が存在しない、もしくはあっても利用できない場合がある(落差が大きすぎるなどで)ケースもありうる。こうした場合は、
堰堤越え!
A堰堤下の瀬
堰堤直下にある1.5級の瀬。これまで玉砂利ベースだった川の石が、堰堤の下から突如大きくなり、ゴツゴツした石が増える。かなりテクニカル。
  B岸に上陸して迂回 (例:相楽ダム /木津川)
するパターンもある。
 最も怖いのが、魚道や取水口が利用できない上、岸に上陸できないパターンである。一方、落差の小さい堰堤などではそのまま乗り越えて下ることも可能であるが、着水時の水深やバックウォッシュの強さの見極めが必要であり、リスクが大きすぎるため、超上級者でもない限りお勧めできない。
 いずれにせよ、下る区間に堰堤がある場合、川下りを始める前に事前に下見をしておくことは最低限の必須事項である。

 武儀川の、旧美山町役場付近にある落合橋から美山大橋までの約9kmの区間内には、徳永堰堤という落差7〜8mの堰堤がある。右岸側に取水口、左岸側に魚道がある。ここでは、左岸側の魚道沿いに下りて迂回する。この堰堤で面白いのは、魚道に至るためにトンネルをくぐらなければならないという「トンネル型」堰堤である点である。
 以下では、徳永堰堤の下り方ならびに注意点について記した。ご参考の一助となれば幸いである。
写真がありません
美山大橋手前がゴール。美山大橋直前に堰堤があるので要注意である。左岸側から上陸。
魚道へ続くトンネルは左岸寄りにある。写真の通り、入り口は流木などで塞がれている場合が多い。増水時はストレーナーと化す可能性が大きいので不用意に近づかないこと!!
流木の撤去が終了したら、魚道へと続くトンネルをくぐる。異世界へ通じるような不思議な空間で、ドキドキする。ただし、増水時は要注意。流速が強く、戻れなさそうと判断したらくぐらないほうが賢明。
あまり意味はないが、カヤックに乗って通過することも可能である(この先魚道があるので下りなければならない)。
意味はないが、何となく楽しい。この先魚道の段差が続くので、ここでフネから下りる。
トンネルをくぐった後、右を向けば堰堤が見える。左岸側が取水口となっているが、落差が大きいので通行不可。
魚道にも流木が引っかかっており、ストレーナーを作っている箇所がいくつかあるので、フネから下りて注意して進む。平水時であれば、深さは膝の上程度で、流速も強くない。ただし、増水時は命に関わるレベルの危険な箇所となる。
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