笠置トンネル
県道163号線
打滝川
県道4号線
ゴール地点
スタート地点
木津川
【川下りメモ】
 三重県名賀郡青山町布引山地(756m)付近を源流とし、伊賀盆地で鈴鹿山脈からの柘植川、布引山地からの服部川、奈良県宇陀郡の高見山地からの名張川など数多くの支流をあわせ西流し、木津市内にて大きく北に流れを変え、八幡市付近で宇治川・桂川と合流し淀川となる一級河川。保津川、瀬田川、奈良吉野川と並んで関西を代表する川である。上流部、伊賀上野から名張川との合流点付近までは伊賀川とも呼ばれ、岩倉大橋より約5kmは岩倉峡と呼ばれる激しい瀬の続く山峡区間。島ヶ原大橋より約2km下流にはなんと落差4mの滝もある。また、名張川との合流点付近は夢弦峡と呼ばれる区間で、現在は大河原発電所堰堤のバックウォーター区間だが、かつては伊賀ライン下りで賑わっていたらしい。
 この恋路橋〜笠置橋までの区間は相楽ダムのバックウォーターを含め、ほとんどが瀞場で流れもほとんどない。笠置の山峡に入る布目川との合流点あたりからようやく2級クラスの瀬が連続する。水量が少ないときは浅いので、岩を避けながら下るテクニカルな瀬となるが、総じてそれほど難しいところはない。
 夢弦峡、恋路橋、笠置山など流域に逸話が多いことや、景観に関しても沈下橋あり、山峡ありで素晴らしい川なのであるが、その水質の低さが致命的な欠点となっている。随分と稀釈されてはいるとはいえ、上流部(伊賀上野)でかなり汚染されてしまっているので、とくに相楽ダムの湛水区間では底に溜まったヘドロがひどく臭う。間違っても泳ぎたくない川となってしまっているのが非常に残念でならない。
 なお、笠置橋より下は、上流の花崗岩山地から流れ出し、砕かれた石英や長石からなる白砂が大きな長い州を形成しており、木津川の大きな特徴となっている。現在の川相からは信じられないことだが、古代より明治に至るまで、大阪、京都と奈良を結ぶ交通路として、小型の舟や筏が行き交っていたらしい。中でも木津は木材の集散地として栄えた港であったことがその名の由来になっている。
河川名 区間 距離 平均水位 回送 釣り
シーズン
激しさ 流れ 水質 景観 水量 タイプ
激流 清流 大河
木津川 恋路橋〜笠置橋 約6km 0.6m(島ヶ原) ? 4 2 3 5 4 38 32 41
水系名 淀川
全長 84km
流域面積 1,596km2
水質ランキング順位(H14) 151/166
・回送(○…電車、バスの利用可 △…徒歩でも可能 ×…車が必要)
・鮎釣りシーズン中(○…下れる △…多いが、何とか下れる ×…自粛)
【スタート地点とゴール地点】
  スタート地点は、JR関西本線大河原駅より若干西側にある「恋路橋」と名付けられた沈下橋の手前。この橋を渡ると命名の由来となった恋志谷神社がある。ここからスタートすると、初めこそ快適な流れがあるが、漕ぎ始めて300mもすれば相楽ダムのバックウォーター区間に入り、そこから相楽ダムを過ぎて右手に笠置トンネルが見える七曲付近までの4km弱の区間は、ほぼ完全な瀞場となっている。相楽ダム越えも労力を要するので、ショートコースとして恋路橋から約3km下流の潜没橋をスタート地点に設定するのも悪くない。
 ゴール地点は笠置橋を過ぎて左岸側に広がる広大な川原。ただしここはキャンプ場として整備されているので、シーズン中(4月〜9月?)は施設を利用しようとしまいと協力金という名目で一人当たり300円徴収される。トイレや水道は完備されているが、異常なほど人が多い。

【アクセスと回送方法】
*電車の場合
 スタート地点の恋路橋はJR関西本線大河原駅から徒歩5分弱、ゴール地点の笠置橋から笠置駅までも徒歩5分程度。かなり有効的に利用できるが、電車の本数が一時間に一本のペースなので、あらかじめ時刻表で調べておくことを勧める。
*クルマの場合
 木津川沿いに走る国道163号線を利用する。スタート地点の恋路橋は右岸側に数台駐車スペースがある。ゴール地点の笠置大橋下の川原は有料(300円)なうえ人も多いが、かなり広大なので駐車スペースに気を遣う心配は不要である。
恋路橋〜笠置橋
木津川データ
現在の水位…島ヶ原観測所(国土交通省【川の防災情報】)
鮎釣りの解禁日…木津川(Mamboo 鮎解禁情報)
文章の作成日 / 2004年5月19日
@相楽ダム
トップページに戻る
ページのトップに戻る
スタート地点からここまではほぼ完全な瀞場であるためかなりキツいが、川が左にカーブし始め、右岸側に笠置トンネルが見える、いわゆる「七曲」と呼ばれる付近から山峡となり、笠置橋付近まで瀬が連続する区間となる。便宜上「一ノ瀬」と名付けた一番目の瀬は1.5級のザラ瀬。
大河原駅から2kmほど下流にある発電ダム。1928年10月より現在に至るまで運用されており、歴史は古い。落差は3.3mで、現在の基準では「堰堤」の部類に入る。左岸側からポーテージ可能であるが、取り付くところがないので増水時はかなり危険な箇所となることが予想される。
右岸が笠置トンネル区間に入る辺りから川幅が狭まり、川のパワーが増す。2級。
笠置山に身を隠していた後醍醐天皇を慕ってやってきたが病死した女官を偲んで建てられた祠が縁起である恋志谷神社に因んで名付けられたのがこの「恋路橋」。いわゆる沈下橋である。神社は左岸側。駐車スペースは右岸側にある。
1.5級。小さな瀬。
1.5級のザラ瀬。左岸側はかの「太平記」の舞台となった笠置山の麓になる。
小さなウェーブの立つ1級の瀬。
巨岩地帯を抜け、笠置橋を過ぎ、浅い小さな瀬を下ると左岸側に大きな川原が現れる。ここがゴール地点となる。ただ、とくに4月〜9月にかけては、ここしか知らんのかといわんばかりに人間が集まり、バーベキューをしている。一人300円徴収されるが、トイレ、水道が使える。
A七曲の瀬(一ノ瀬〜七ノ瀬)
潜没橋
縮尺:1/25,000
(地図上の4cmで実際の1km)
鉄橋を過ぎると現れる潜没橋。
その背後にそびえるのは笠置山。
スタート地点
大河原大橋
笠置橋
布目川
1.5級。巨岩が点在する迷路のような瀬。左岸側は浅いので、中央より右岸側から入り、川の真ん中に座す大岩を右にかわして抜ける。
2級。七曲の瀬の中では最大の瀬。それなりにパワーがあるが、流れは素直なので真っ直ぐに漕げば問題はない。スラロームの練習場にもなっている。
相楽堰堤の下にある関西本線が
通る鉄橋。
ゴール地点
@相楽ダム
恋路橋
笠置駅
大河原駅
白砂川
至 柳生
県道33号線
関西本線
横川
夢弦峡
高山ダム
月ケ瀬湖
伊賀川
名張川
笠置橋。ここを過ぎれば岩の多い
山峡区間から一転、砂州の広がる
緩やかな流れとなる。ここから下流
が初心者向けコース。
A七曲の瀬(一ノ瀬) *水量は島ヶ原51cm時のもの
A七曲の瀬(二ノ瀬)
A七曲の瀬(三ノ瀬)
A七曲の瀬(四ノ瀬)
A七曲の瀬(五ノ瀬)
A七曲の瀬(六ノ瀬)
A七曲の瀬(七ノ瀬)
inserted by FC2 system