ツーリングレポートを時系列で載せています。原則として、川を下る都度に更新されますが、たまにとっても遅れます。
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2005年10月10日(月)
70 総合準優勝!【長良川WWF・ダウンリバー】(長良川14)
水位:0.53m(稲成) 気温:23℃(美濃) 天気:晴れ
区間:ふれあい〜勝原橋
メンバー:カイチョー、カリ、後輩1号、アズマックス、Iさん

 昨日のスラの順位は予想に反して3位でした。1位は美並カヌークラブで2位は神戸DSV。
 結果だけを見てみると、1位美並は全ゲート通過、2位DSVは3番ゲート不通過のみ。3位の我らシャレコウベは、7番が不通過扱いとなっており、3番をハナから捨てたDSVより総合タイムで負けていました。
 確かに微妙ではあったので、不通過扱いになる可能性はあると思っていました。ただ、DSVは実際は7番ゲートを完全に不通過でした。通過後に押し戻され、ゲートをダウンしてしまったのです。しかしそれにもかかわらず、通過扱いとなっているのです。
 午前中に実施された1本目に7番ゲートを通過したことになっているのは、神戸DSVのみと判定されていますが、微妙な点は抜きにして、ゲートを通過し、ストリームインという動きをしたのは我々のみ。スコアをあべこべに付けたんとちゃうの?って思ってしまいます。
 また、我々もDSVも共通しているのは、確実に何ゲートか接触しているのに、まったくカウントされていないこと。ここでも正確性に疑問が生じる。
 スプリントでの判定やその後の対応のことが背景にあったので、出された結果の正確性についてまったく信用できず、疑ってかかるようになってしまっているのです。

 長良川WWF開催を支えてくれているスタッフの方々はみんなボランティアです。ODSSのスタッフ以外にも、ラフトのお客さんなんかがわざわざ関西とか遠くから岐阜まで来てくれているわけです。大会運営にあたり、ボランティアスタッフが参加選手の影となってどれだけ働いてくれているかは、にじますカップにおける大沢さんの一連の活動を見聞きして理解しているつもりですし、とても感謝しています。
 そうしたスタッフの方々は、決してプロの審判ではありえませんからそりゃ判定や計算に間違いは出てくるでしょう。信頼できる結果を求めるには、はっきり言ってムリがあります。
 明らかな誤りに対する指摘や疑問は口にしますが、判定や対応の品質について不平・不満は言いたくない。言ってもしょうがないからです。そのことをふまえた上で楽しまなくてはならないと思います。
 ということで、3位という結果に対し、とやかく不平・不満を言わずに甘んじて受け入れることにしました。一応、疑問はスタッフに伝え、確認してもらうように伝えました。が、結果は変わらずでした。

 さて、今日はダウンリバー。高砂遊遊ふれあい広場(通称ふれあい)から勝原橋直下のリバーベース長良川駐車場までの約5.5kmのコースを下り、タイムを競います。
 ダウンリバーの優勝ポイントはスプリント、スラロームの300ポイントと比べて高く、400ポイント。とはいえ、美並にスラでも1位を取られてしまったため、現在のポイント差は180ポイント。逆転の可能性は限りなくゼロに等しい。しかし、ダウンリバーは単純なタイムレース。スラロームのときのようにゲートを通過したとかしていないとか細かいことで嫌な思いをせずに済む。変な気負いはなく、純粋に楽しもうという思いで勝負に臨むことにしました。

 出走順は今日はインフレ部門から。インフレのほうがラフトより速いからというのが理由らしいですが、前日晩のミーティング時ではまったく触れられず、直前になって言ってくるあたり、草レースらしい。
 何しろ40分ほど前倒しにされた格好になります。大慌てでダッキーのエアの調整とウォーミングアップに取り掛かる。こういうときに限ってバルブの機嫌が悪いもので、なかなかエア漏れが収まらない。調整が完了したときには、出走直前になっていました。
 いささか余裕がない状態でのスタート。準備不足の影響はすぐに出ました。両足を固定するサイストラップが緩んでいたのです。昨日のスラローム2本目でカヌマス会長がラナと下ったとき緩めたのがそのままになっていたのです。
 締め直しに数秒ロス。かなりイライラきてましたが、怒っていてもいいことはない。楽しんだほうが絶対に得である。漕いでいると次第に落ち着いてきて、三城橋に至ったときには雑念は消えていて冷静になり、レースに集中できるようになっていました。

 1分前に出走したDSVが早くも射程圏内に入っています。さらに長く続く瀞場でじわじわと距離をつめ、瀞場の終わりからセタラズの入口にかけて一気に追い抜く。身体が温まっており、力が漲ってきます。
 一昨日と比べると体調は格段にいい。これなら持てる力を出しきれそうだと確信しました。カーブを曲がり、旧コークスクリューの瀬を越える。
 瀬を越えたところで、後方から威勢のよい奇声が聞こえてきました。我々の1分後に出走した美並です。一昨日のスプリントのときとは逆の立場で、今日は追われる身。しかも、5.5kmという長丁場です。もちろん今年は本気で勝つ気ですから、突き放すつもりではいるのです。しかし、過去の実績面を考えると、追い付かれる可能性は高い。もし抜かされようでもしたら、プライドはズダズダにされるでしょう。抜かれればゲームオーバー。そう考えると、物凄いプレッシャーを感じます。
 前方にはDSVの前に出走したレオン三郎チーム。ここが射程圏内に入ってから、なかなかどうして捕捉できない。あのターコイズブルーのアキレス、意外と速いのです。後ろからはまた奇声が聞こえてくる。おそらくDSVはとっくに抜かれているんでしょう。
 気ばかり焦ってきたときに、浅瀬登場。水量がビミョーでしたが、一か八か、左岸側のショートカットコースを選択。通常の水量では浅くて通れないコースなのですが、1位を獲得するためにはリスク覚悟で飛び込む必要があったし、、もう一つは後ろを漕ぐ美並がトレースしてきてスタックするのをあわよくば狙っていたのです。
 飛び込んだ先は、予想通り、かなり浅い。バウを右に左に振って、岩と岩の隙間を縫うように走る。何度か引っかかりそうになりましたが、都度うまく外し、無事に抜け出ることに成功。
 後ろを振り返ると、美並がトレースしてくるのが見える。予想外に迫られている。焦る気持ちを抑え、前方だけに集中。右岸ベタの通常ルートを選択したレオン三郎は今や目の前です。
 ようやく、どっかんの瀬の入口で追い付きました。しかし、瀬の核心で追い抜くのは、コースが限定されていて難しい。嫌なところで重なったなあと思っていると、レオン三郎、どっかんメインのストッパーに弾き出される形で左岸にコースアウトしてしまいました。相手は後輩なのですが、励ましの言葉もそこそこに、がら空きになったメインカレントを突き進む。何しろ後ろのことを考えると気が気でないのです。
 レオン三郎は他と比べてやはり速かったようで、前を漕ぐフネはすぐに射程圏内に入りました。しかも2艇一緒です。バンブーの瀬の入口でシングルで漕ぐ赤いトムキャット「チームTIDE」を追い抜き、瀬の終わりで残りの1艇、赤いリンクス「Teamいちろー」を抜く。

 この先、三又の瀬(ザンゲの瀬)まで、しばらく瀞場が続きます。
 バウを漕ぐカヌマス会長のパドリングが軽くなってきてます。私もさすがに疲労が溜まってきています。
 はるか前方にはダッキーが2艇。この2艇を抜けば先に出走した6艇すべてを抜いたことになります。後ろからは、ときどき奇声が聞こえる。離れているようにも、すぐ後ろにいるようにも感じられます。気になりますが、振り返っている余裕はない。
 この瀞場が正念場になりそうです。前方の2艇を目標に、ひたすら漕ぐ。

 前方の2艇とは徐々に差を縮め、三又の瀬の終わり、吉田橋の手前でようやく最後の一艇、岡大探検部のリンクスを追い抜く。これでいよいよ先頭です。
 美並には確実に詰められている気がします。二人ともかなり疲労が溜まっており、腕が重くなってきましたが、意地でも抜かれまいとする気持ちだけを糧に、手を前に出し続ける。
 もはや優勝はありえないでしょう。悔しいですが、格の違いは歴然としています。しかし、それでも最後まで諦めずに全力で漕ぎたい。

 子宝温泉下のザラ瀬を過ぎ、やがて眼前に赤い橋が現れました。ゴール地点の勝原橋です。橋の下を漕ぎ抜き、左岸にエディーキャッチ。
 何とか、逃げ切れました。
 美並は30秒後にゴール。30秒、差を縮められた形です。完敗ですが、ゴールに着いた後は不思議と悔しさがそれほど湧いてこない。
 全身が熱い。体中を汗が流れ、とても気持ちがいい。先月の北山の大会のときと同じ感覚です。全力を出し切って漕いだ後の充実感というのは、勝敗に関係なく感じられるようです。
 ダッキーの大会に出場し続けるのは、全大会優勝、そして打倒美並が目的と思っていましたが、一番の目的は、この完全燃焼の気分を味わいたいことなのかもしれません。

 表彰式。レース全日程が終わってなお憤懣やるかたないカヌマス会長とカリさんは、表彰式への出席を拒否し、スポット漕ぎに行ってしまいました。表彰式にて発表された総合結果は以下の通りです。

 1位 美並カヌークラブ   1000pt
 2位 シャレコウベ大学OB 740pt
 3位 神戸DSV       508pt
 4位 岡山大学探検部  492pt
 5位 チームNIZAKANA  456pt
 6位 レオン三郎      452pt
 7位 Teamいちろー    384pt
 8位 チームTIDE      356pt


 DSVはスラロームで2位入賞したのが大きく、総合でも3位入賞となりました。複雑そうでしたが、まあしょうがない。レオン三郎は初出場ながら、スプリント3位、ダウンリバー5位とDSVに劣らぬ健闘ぶりでした。スラの8位が響いて総合は6位でしたが、まだまだ伸びると思います。
 今年のインフレ部門は8チームでの戦いでした。定員いっぱいの40チーム参加のラフトと比べるとまだまだ穴場ですので、初心者、経験者問わず、もっともっと穴場狙いの参加チーム数が増えてくれることを願っています。

 さて、これで今年の大会はすべて終了となりました。最近は川に行っても大会の練習ばかりでのんびりすることが少なかったですからね。来週からはしばらくのんびり路線で楽しみたいと思います。
2005年10月9日(日)
69 マボロシの1位!【長良川WWF・スラローム】(長良川13)
水位:0.65m(稲成) 気温:26℃(美濃) 天気:快晴
区間:三段の瀬
メンバー:カイチョー、カリ、後輩1号、アズマックス、Iさん

 6時に起床。実際は9時くらいに現地に入ればよいのでもっと寝ていてもよかったのですが、朝練のため早起きしました。昨日の失敗を繰り返さないためにも昨夜は早々に眠りに就いたため、体力はほぼ完全に回復。先に回送を済ませ、7時半頃より漕ぎ出す。

 長良川WWF二日目となる本日の競技はスラローム。会場は三段の瀬です。
 ゲートは全部で12門セットされていますが、RJ2とインフレは第6番ゲート(ダウンゲート)と第12番ゲート(アップゲート)は免除され、全部で10ゲートとなります。
 ゲートの設置が完成するのが遅かったこともあって、開始までに航下できたのは結局3本。ダウンゲートは問題なくすべて下れましたが、アップゲートの3番と7番が結構難しいなというのが下ったときの印象でした。
 3番ゲートは一ノ瀬のメイン部分に設置されており、メイン部分を回避しつつ左右どちらかから回り込む必要がありますが、川の上から見た感じではエディーと呼べるような箇所がなく、どうアップしていくのか、想像もつきませんでした。チャレンジした3回とも、ゲートの右側から回り込もうとして、いずれも失敗。ダッキーのパワーでは流れを遡ることができませんでした。
 7番ゲートは、二ノ瀬に設置。エディーライン上にセットされているのですが、増水の影響で流れが強く、まともに遡上しようとすると押し戻されてゲートを越えることができません。これはゲートの上流側で先にエディーキャッチし、ゲート右側から回り込んでゲートの右岸側スレスレを狙って通過。接触ありですが、これだとエディーラインの外側になるので遡上が可能。3本ともクリアできました。

 大会運営スタッフが会場に揃ってきた頃合いを見て、神戸DSVが大会スタッフに昨日の順位間違いを指摘しに行きました。間違いのあった順位に対し、一度目は口頭で、二度目はタイムを計算し直して直接順位表を提示し、その結果、スプリント決勝は正しい順位のもとで行われました。
 しかし、昨晩20時に発表された最終結果については、5位から8位に対してはまったく修正措置が取られていなかったのです。昨日の決勝開始前に配布された順意表には出走タイムと到着タイムが記録されており、計算するだけなので、主観の入る余地はない。正しいタイムなら、DSVは7位ではなく、5位になります。DSVは5位以下にも修正をするように依頼しに行ったわけなのですが、結果は「コンプレインが遅すぎる」という理由で却下されてしまいました。
 コンプレイン…不平・不満? 何じゃそりゃ。昨日時点ですでに指摘した大会本部側の集計ミスを全チームに適用するように再度依頼することが「不平・不満」に当たると?
 結局、順位は昨日のまま変更されないということでした。

 憤懣やるかたなしですが、今は目の前の競技に集中するしかない。ラフトが競技終了した後で、インフレ部門の1本目が開始。出走順は昨日の順位の降順(低いほうから)。我々は美並の前、最後から二番目になります。スラロームはスプリントのようなガチンコレースとは違い、相手を意識せずに自分のプレーだけに集中していればよいので、昨日のような緊張感はありません。バルブからエア漏れがないか最終確認。
 スタート。
 1番、2番は難なく突破。続いて難関の3番ゲートへ。この3番ゲート、ラフトはほとんどのチームがハナから捨てていました。たとえ成功してもタイムロスが大きく、リスクの割にリターンが少ないとの計算からでしょう。捨てるというのも一つの戦術です。しかし、1位を狙う以上は絶対に取っておきたい。1位ではなく上位を狙うなら、ゲートをハナっから捨てる作戦も可だと思いますが、1位を狙う以上は、たとえゲート通過に失敗して、ハナから捨てたチームに負けるようなことになっても、チャレンジするべきだと考えます。チャレンジせずに負けたということにでもなれば、悔やんでも悔やみきれないですから。
 3本の練習ではいずれも失敗し、一見、無謀なチャレンジにも見えますが、実は勝算はありました。ラフトのレース中、3番ゲートに張り付いて見学していた際、とあるラフトチームがゲートを通過したのをじっくり見学していたので、イメージはできていたのです。

 あとはイメージどおりに動けるかどうか。3番ゲートの右側を通り過ぎ、右岸ベタのエディーに入り、ギリギリまで遡り、ゲート側に向かってフェリーグライド。待ち構えていたホールちっくなウェーブに恐る恐る乗る。ここが正念場です。基本に忠実に、角度を維持。果たして無事に越えると、ゲート直下のマイクロエディーに乗ることに成功。そう、エディーは小さいながらも存在していたのです。ここに入れるかどうかが3番ゲート通過の可否を決めるポイントなのでした。
 そのまま漕ぎ上がり、ゲート通過に成功。ただ、ゲートを越えたところに控える一ノ瀬メインのホールに近づくのが恐ろしく、通過したギリギリの時点でストリームインに入ったので、スターン側に位置する私はアタマをムリヤリゲートの中に押し込むようにして通過するという形になったため、正直言うと少し微妙ではあります。
 しかし、イメージ通りの動きができたことで二人とも喜び大爆発。スラロームをやっていて最高に楽しい瞬間。ストリームインにも成功し、そのまま4番ゲートも通過。一ノ瀬はこれで終了。

 続いて二ノ瀬。
 5番ゲートは二ノ瀬メインの落ち込みにあります。去年の大会では増水のため怖くて避けた気がしますが(DSVは去年フリップしたような)、今年の水量では難なく突破。6番を無視して、右岸側のエディーに控える7番のアップゲートに向かう。
 7番は第二の難関と認識していたゲートです。ここもラフトはほとんどのチームが捨てていましたが、3番のときと同じ理由で取りに行く。ラフトボートの幅ではどうしても本流にかかり、押し戻されるのですが、幅の狭いダッキーなら、本流にかからずにエディーラインより外側だけを狙って通過できるのです。実際、3回の練習で3回とも成功していたので、3番のときより気も楽です。
 ゲートの手前でエディーキャッチ。エディー内を漕いで右岸側から回り込み、通過を試みる。接触なしでいこうと、ど真ん中から攻めましたが、やはりゲートに入ることかなわず、押し戻される。ならば接触覚悟でと、左手のポールギリギリを狙う。
 案の定ポールにパドルが当たってしまいましたが、今度は成功しました。そのまま漕ぎ上がり、右手側の本流へ。ただ、ここも通過ギリギリのところでストリームインに入ったので、アタマをムリヤリゲートの中に押し込むようにして通過。ここも微妙なところではありますが、難関のアップゲートはこれで終わり。残りは油断さえしなければすべて取れるはずです。
 二ノ瀬ラストの8番、9番連続ゲートもクリア。
 残るは三ノ瀬の10番と11番。10番は三ノ瀬入り口に設置。右岸側から左岸側に抜けるように通過し、そのままビッグウェーブをひらりと右にかわす形で11番ゲートを通過。続いてシングルパドルのぶら下がったゴールライン下を通過。

 やったー! バウに座るカヌマス会長と思わずハイタッチ。勝ち負け抜きにして、自分たちの持てる力を出しきれたことに大満足。3番、7番が微妙なことと、複数のゲートで接触がありましたが、悔いはありません。これで心おきなく2本目を棄権することができます。
 実はこの日、友人の結婚式と重なっていたんですよね。一昨年はそれで出場を断念したという経緯がありまして、二度も同じ理由で大会出場を断念というのは辛い。かといって、せっかく誘ってもらっているものを断るのもどうかと思う。
 結婚式は新神戸で16時半から開始でした。なもんで、13時にここを発って岐阜羽島までクルマを走らせて、新幹線で新神戸まで向かおうと決めていて、そうなると時間的に1本しか下れないんです。一発勝負と背水の陣で臨んだワケでしたが、満足できる内容でホント良かった。

 スーツに着替え、ラナをカヌマス会長に預け、神戸に向かう。予定通り、15時半に新神戸に到着。
 駅構内の喫茶店で頼まれていたスピーチの原稿を仕上げ、次はご祝儀の用意とコンビニに行って貯金を引き出そうとすると、何とカードが使えないではないですか。
 「東京三菱銀行とUFJ銀行合併準備のため三連休中はATMは使用できません」とATMの案内に書いてある。

 持ってるカード、東京三菱とUFJなんですけど…。
 三宮まで歩いてあちこちの銀行のATMを当たりましたが、ことごとくダメでした。結局、結婚式に来ていた高校の友人に借りるということで落ち着きましたが、この騒動で式には遅刻。厄日ですよ、まったく。
 郡上八幡自然園に戻ったのは23時でした。

今日はうってかわって晴天に恵まれました。写真は1番から3番ゲート。

これが件の3番ゲート。はじめ、これがアップゲートとは俄かには信じられませんでした。

見事に通過。3番ゲートを通過したのは全体の1割から2割の間かなあ。ほとんど見られませんでした。

ここまで流されるともうお手上げです。

3番から4番ゲートはこんな感じ。一ノ瀬はここで終了。

5番から6番にかけてはこんな感じ。ちなみに6番はRJ2とインフレは免除されています。

第二の難関、7番ゲート。ほとんどのチームがゲートに至るまでに押し戻されてました。

三ノ瀬には10番から12番がセットされています。

12番のアップゲート。インフレとRJ2は免除でしたが、ラフトRJ1でも通過したチームは旭川水軍ただ1チームのみでした。

会場付近の道は人間とボートでごった返しています。

スタートした瞬間のレオン三郎。

これから結婚式に行ってきます。ということでスーツ姿で記念撮影。

ということで二本目は代打でラナに出てもらうことにしました。
2005年10月8日(土)
68 惜敗!【長良川WWF・スプリント】(長良川12)
水位:0.98m(稲成) 気温:21℃(八幡) 天気:雨
区間:ホーセン郡上〜三段の瀬
メンバー:カイチョー、カリ、後輩1号、アズマックス、Iさん

 念願の美並カヌークラブとの直接対決が実現しました。受付時、美並カヌークラブがエントリーされているのを見て、一気に胸が高鳴る。ここで気付いたのですが、私の目標とは大会で優勝することそのものではなく、美並を下して優勝することなんだなあと。

 美並カヌークラブとは文字通り地元美並村のカヌークラブで、長良川WWF第1回大会以来、一度を除いてすべて優勝という古豪チームです。ちなみに北山川の大会でも一度を除いてすべて優勝しています。
 我がチーム・シャレコウベ大学OBは去年のナガラWWF、今年の北山の大会で見事優勝を果たしましたが、実はいずれも美並不在でのこと。過去の対戦では勝ったことがありません。今回は去年の北山の大会以来の対戦となりますが、果たしてこの一年間で彼らに勝てるまでに成長しているのか。それが問われる大会となりそうです。

 昨晩、大阪を出発したのが23時ごろで、テントで床に就いたのは3時半ごろ。3時間程度しか眠れず、体調は最悪で、実際モチベーションは低かったのですが、この美並の参加を聞いてテンションはだだ上がり。あわてて準備体操を始める。
 今年は8チームがインフレ部門に出場しました。エントリー順に、神戸DSV、美並カヌークラブ、シャレコウベ大学OB、レオン三郎、岡山大学探検部、チームNIZAKANA、チームTIDE、Team いちろー です。
 天気はあいにくの雨で、肌寒い。しかしその分、空気の熱膨張が少ないので、ダッキーにとっては好都合。天竜川WWFの轍を踏まぬよう、バルブ対策を入念に行う。
 出走は30秒間隔で、エントリー順に実施。つまり我々は美並の後ろになります。目標にできるので、この上ない順番です。

 ラフトがすべて出走した後で、ゼッケン51番神戸DSVがスタート。続いて美並、そしてシャレコウベ。待望していた戦いの火蓋がいよいよ切って落とされました。
 バウを漕ぐ会長のストロークのピッチがやたら早い。後で考えると明らかに気負い過ぎでしたが、私も高ぶっていて、その時点では気になりませんでした。
 美並は前方を快調に走っており、両者の差は一向に縮まらず。互角か、または美並のほうが少し速いか。
 コース半ばに至り、先頭を走る神戸DSVをあっさりと抜かす。我々シャレコウベも続こうとするが、このハイピッチストロークでは腕が重く、回らない。ピッチだけは相変わらず高速のままですが、一つ一つのストロークが軽くなっている。
 睡眠不足で予想以上にコンディションが悪いのが原因だと気付くのに時間はかかりませんでした。ピッチを落とし、重く漕ぐように慌てて指示しましたが、後の祭り。神戸DSVを抜かせないままにゴール。悔いの残る出だしとなりました。息が上がって、吐き気がする。
 結果は際どい感じ。美並との差は開いたようにも、開いていないようにも見えます。

 リエゾン区間を下って、三段の瀬まで航下。昼食後に、結果を聞く。インフレ部門では上位4チームまでが決勝トーナメントに出場できます。
 結果は、1位でした。
 やった!と思いましたが、次を聞いてびっくり。
 2位がDSVで3位が美並でした。
 美並に抜かれたDSVが2位?
 明らかにおかしいということで早速、大会本部にその旨を説明し、修正を依頼しました。どうにも、到着順を出走順とイコールで認識していたようです。つまり、DSVを抜いて最初にゴールした美並をDSVと誤って認識し、続いてゴールしたDSVを美並と認識していたことに誤りの原因があるようです。
 やがて、修正された順位が発表されました。
 決勝進出の4チームには、1位が我々、2位が美並、3位が岡山大、4位にはなんとレオン三郎が入りました。DSVは7位まで下がってましたが、いくらなんでもそこまで下がることはないでしょう。出走タイムと到着タイムははっきりしていたので、DSVが再度、独自で計算し直したところ、DSVのタイムは5位で、さらに、1位は美並で4′32″、我々は2位で4′38″のタイムだとのこと。

 スプリント決勝は一対一のガチンコレース。講話橋から2本下がっているロープがスタート地点となります。左右のうち、左が本流に位置しており、明らかに優位。
 ですから、今年の決勝は予選の順位が大きくものを言う。DSVが発見した事実を大会本部にわざわざ言う必要はなかったのですが、聞いてしまった以上、これで勝ってもフェアではない。
 結局、大会スタッフに説明し、順位を入れ替えてもらいました。
 準決勝第1戦は美並対チームNIZAKANA、第2戦はシャレコウベ対レオン三郎という組み合わせで実施することになりました。

 事実を伝えたことに後悔はしていませんが、1位ではなくなったことから、優勝の可能性が限りなく低くなったことは事実。意気消沈していたところに、思わぬサプライズがありました。
 HA HA HA HA HA HA ! という、どこかで聞いたような高らかな笑い声が聞こえてくる。
 上流から下ってくるカヤックの一団に紫色のリンクスT。そこに乗っているのは、他ならぬTetsuさんではないですか。KROさんやシミズさんまで一緒にいます。
 あれ? 今週は法事で川に出られないと言っていたのでは…? しばらく呆気に取られていましたが、聞けば今日だけ漕いで晩に関東に向かって法事に出席というかなり強引なスケジュールに変更したらしい。

 で、「使いませんか?」 差し出されたのは、カーボンのパドルでした。
 一瞬、Tetsuさんに後光が差しているように見えました。まさに天の助けではないですか。何かマンガみたいな展開になってますが、勇者様よりありがたく拝領しました。
 これで1秒は短縮できるはず。このような接戦の場で1秒が持つ意味は非常に大きいし、それ以上に一気に士気が高まったことが効果として大きい。最高のタイミングでのイベントでした。Tetsuさん、ありがとう。

 第1戦は案の定、美並の圧勝でした。
 第2戦は、同門対決で少しやりにくいとはいえ、足元を掬われないように全力で戦うことにする。
 開始までラフトの対戦を参考に見てましたが、右コースを選択して勝ったチームは皆無。しかし、美並との決勝戦を想定して、あえて右コースを選択しました。ここで負けたらどうせ美並には勝てっこないとの考えです。
 やがてカウントダウンが始まる。
 5、4、3、2、1…。
 スタート。
 本流に乗せるため、まず左斜め方向に走らせる。左コースはただ直進すればよいので、この点が優位なのです。しばらく併走した状態が続きましたが、レオン三郎チームの前に入ることに成功。途中でスラローム用のロープに引っかかるというアクシデントに見舞われましたが、幸いケガもなく、以降はトップの座を明け渡すことなく、ゴール。

 いよいよ念願の美並との決勝戦です。
 美並は当然のごとく左コースを選択。
 準決勝のようなコース取りではおそらく負けるでしょう。したがって最初は左側の本流に向かわず、右ベタを経由してから本流に入る作戦を立てていましたが、ずっと橋の上から観戦していた神戸DSVからアドバイスがありました。曰く、右側コースは右岸側に押し出されてフネがエディーに入ってしまっている。フネをもっと意識的に左側に寄せれば、初めから本流に入ることが可能と。
 不利には違いないですが、斜めに走る距離はかなり短くなるのでハンデはかなり小さくなる。結局、不確かな右岸コースを選択するより、DSVのアドバイスに従うことにしました。

 カウントダウン開始。
 こうして相まみえるときを心待ちにしていました。あわせて今年一年間の成果が試されるときかと考えると、ドキドキしてくる。
 いよいよスタート。ロープを放し、川の中央の本流を狙ってひたすら漕ぐ。目指すコースはやはり同じ。徐々に近付き、併走した状態になるが、美並が半艇分、前に出ている。
 美並の右サイドの船腹にガツンと突き刺さるような形で接触。ぶつかりながらジリジリと前に出ようとするが、負けじと美並も我々の前方を覆うようにコースを塞いでくる。カヌマス会長のパドルが美並のフネやパドルにガツガツ当たり、火花を散らしている。
 両艇とも、本流は確保しながらも少しずつ右に逸れている。もしこのままの状態が続けば、先にコースアウトするのは我々となってしまう。さらに、先の一ノ瀬は左にカーブしているので、インコースになる美並が圧倒的に有利。ならば一旦退いてインを狙おうと考えを巡らす。
 カヌマス会長も同じ考えだったようで、何も伝えずとも、すぐに行動に移せました。一旦退き、インを取るべく美並の左側に回ろうとする。ただこのために完全に一艇分、差が開いてしまいました。
 この状態から美並の左側を差そうと試みるが、差を詰める前に美並にコース修正され、前方をブロックされてしまいました。作戦は失敗。
 続く二ノ瀬、三ノ瀬でも、狙うコースことごとくが重複し、美並のブロックを打ち破れない。後を付いていくだけの形となり、チャンスは訪れないまま、無常にもゴールを迎える。
 タイム差は2秒。完敗でした。

 やはり美並は強い。敗因としては、認めたくはないですが、純粋にスピードの差があったと考えられますが、まだまだ他にもいろんな原因があったように思います。
 【敗因分析】
 @睡眠不足による体調不良。最低でも6時間は確保したい。
 Aスタート直後に全力で漕げておらず、あっさり前を取られた。
  先頭を取ることの重要性への認識が不足していた。
 B接触したとき、自ら身を引いた。一度先頭を取られると奪うのは
  難しい。あのとき、もっと粘って競り合うべきではなかったか。


 まだまだスプリントというガチンコレースに対する経験が乏しいことがよく分かりました。競り合ったときの駆け引きの仕方をもっと身体で覚えなければと思います。

 去年と比べてもさらにタイムは伸びているはずなのに、まだ勝てないのかあと思うと随分落ち込んだりもしましたが、まだ初日が終わっただけですからね。明日のスラロームで頑張ればまだまだ優勝の望みはある。まずは体調を万全にしなければということで、さっさと床に就くのでした。
2005年10月2日(日)
67 お別れ(長良川11)
水位:0.42m(稲成) 気温:23℃(美濃) 天気:曇り
区間:講話橋〜ふれあい
メンバー:Tetsuさん、後輩1号、アズマックス、Iさん

 カヌマス会長、カリさんがNKC総会のため早朝から別行動。残ったメンバーでのダウンリバーとなりましたが、後輩1号さんが所用のため早く帰る必要があり、ふれあい広場をゴールというショートコースで下りました。
 アズマックスたちアキレス艇コンビはダッキー漕いで二回目とはもはや思えぬほどいつの間にか上達しており、まったく危なげなく下ってきます。二人とも運動神経いいからねえ。これは来週の大会、ひょっとするとひょっとするかもしれません。

 ところで、とても悲しいことに、Tetsuさんが10月で転勤となり、杜の都へ住まうことになり、今日の川下りが実質的な送別会という形になってしまいました。
 去年の6月末に根尾西谷川でご一緒してから1年と3ヶ月。その短期間のうちに、OURSの渡り鳥からAIREのTOMCAT、最後にAIREのLynxTと出世魚のように変態を遂げ、ついには勇者に転職し、めきめきと実力を上げて盆休みには小歩危を下るほどまで成長されたTetsuさん。同じサラリーマンという環境にありながら、ほぼ毎週のように一緒に漕いでくれる人は他にいませんでした。
 回送時には新車のセレナにラナを乗せて運んでくれ、キャンプ時にはテーブルからイスからタープからコッヘルから用意してくれ、ダッチオーブンを筆頭にたくさんの料理をご馳走してくれ、ホント、世話になりっぱなしでした。
 東北に行かれても、「あひるブラザーズ」ここにありって感じで、今まで以上にいろんな川を下り続けてください。そして、関西、中部にお越しになられた折にはぜひまた一緒に下りましょう!

レオン三郎チーム。意外とやるかもしれません。

円空でフリップ。最後までアグレッシヴです。ご健勝をお祈りしています。

ふれあいで記念撮影。Tetsuさん、去年初めて下ったときのプットアウト地点がここふれあいだったらしい。
2005年10月1日(土)
66 スラ練→ネコタチスポット(長良川10)
水位:0.42m(稲成) 気温:24℃(美濃) 天気:晴れのち曇り
区間:講話橋〜勝原橋 メンバー:KROさん、Tetsuさん、カイチョー、
カリ、後輩1号、アズマックス、Iさん

 稲成観測所の水位は42cm。ここのところ雨が降らず、平水レベル。透明度は上がってますが、川底に少しドロが溜まっていて、ベストにはまだほど遠いという感じです。
 今日は来週の長良川WWFに備え、われら「シャレコウベ大学OB」と後輩1号&カリの「神戸DSV」、後輩のアズマックス&Iさんの「レオン三郎」というインフレ3チームでの合同練習を実施。KROさん、Tetsuさんとも合わせて総勢8名でのダウンリバーです。
 当初、三段の瀬でスポット的にスラ練習をするつもりが、2本で終了。ゲートがないとイメージしにくい。フェリーグライドやエディーキャッチ、ストリームインなど基礎練習も、なかなかこれという場所が見つからず、結局ろくに実施できずじまいでした。スラの練習って、難しいですね。効果的にやるなら自分で設置するしかないのでしょうか?
 結局、いつも通りにダウンリバー。
 ネコタチ(スケボー)の瀬に来ると珍しく誰もいなかったので、瀬に入って遊ぶ。今日は不思議なくらいに誰も下ってこず、気がねなく遊び続けることができました。ダッキーでもサイドサーフィンやフラットスピンくらいならできるので結構楽しい。Tetsuさんやカリさんはエンダーにもチャレンジしてました。
 時計を見るともう16時。一時間以上遊んでいた計算になります。以降はすっとばして下り、17時過ぎにカッパラに到着。KROさんとはここでお別れしました。

 子宝温泉から出ると辺りは真っ暗になっていました。まだ18時ごろというのに暗くなるの、早くなったなあ。大分涼しいし、すっかり秋めいてきたと感じます。
 みんなネコタチでのスポットプレイに疲労しきっていたので、晩御飯は作らずに台湾ラーメンで済ませました。台湾ラーメン屋さんには同じく練習に来ていた一橋大学探検部がおりまして、彼らに聞いたところによると、ふれあいの駐車場で車上荒らしに遭ったらしい。被害総額17万円とのこと。なーんか、物騒というか、それ以前の問題として、学生狙うようなケチなことすんなよなーと言いたい。

 腹いっぱいになった後は、美濃橋へ移動。
 ひとしきり飲んで話した後で、王子登場。
 しょっぱなから全開で、やたらとカリさんへ絡む。王子とカリって、行動がちょっと似てるんですよね。同族同士は反発しあうのでしょうか。やたらと噛み付いてます。
 「社会的にはお前の勝ちだ。だが、川では俺の方が上。だから俺を崇めろ!」
 すっかり誰もいなくなった川原に王子様の声は響き渡るのでした。

珍しく独占状態。

ひとしきり遊んだ後はだいたいフリップしてました。これが相当堪えるのですよね。

エンダー!

このへんが王子とキャラかぶっているといわれる所以かな。
2005年9月25日(日)
65 救助劇(大歩危4)
水位:0.26m(大豊) 気温:22℃(池田) 天気:曇り時々晴れ
区間:豊永〜岩原 メンバー:後輩1号 プラス 探検部後輩6名

 体中が筋肉痛。
 両腕、背筋、お尻の上部。歩くたびに痛いので、足を引きずるような歩き方になってしまう。ダッキーと比べるとラフトの負荷というのは相当大きいようです。
 今日は体力と、帰る時間のことを考えて、豊永から岩原までのショートコースに設定。

 豊永の川原は、台風14号の影響で再び変わり果てた姿になっていました。お盆に補修したばかりというのに、土砂はすべて流され、再び岩盤むき出しとなり、とてもクルマでは入れない。仕方なく歩いてボートを運搬。
 今日はラフトはご勘弁ということで、私はダッキー。昨日よりさらに水量が減ってますが、何とか下る分には問題はありません。全体的にパワーは落ちていますが、落差が大きくなっていて、前回ウェーブだった箇所がホールになっています。油断はできませんが、昨日と比べると気持ちが随分楽。ラナも安心して乗せられます。ラフト側もフリップリカバリーの練習、飛び込みと遊びながら下っています。

 やがてこの区間最大の瀬、三段の瀬へ。
 前回のような水位であればまっすぐ滑り台に突っ込めたのですが、今日のような水位だと、滑り台手前に岩が露出していて、これを避けてから突入しなければならないのですが、避けてから突入するまでの距離がかなり短いのでラフトでは結構難しい。後輩アズマックスがガイディングするボートでは、下見なしではいささかキツイかなー、と思ってたら、事件発生。
 釣り用の二人乗りゴムボートに4人乗り込んで下っているおっさん連中がいたのですが、彼らがこともあろうか三段の瀬に突っ込んだのです。
 案の定転覆して流されるのが見えたので、こちらの救助に向かうことにしました。スポットに入っていたカヤッカーと協力し、散り散りになった人員、ボート、パドルを回収。彼らにはここで上がるよう勧告しました。
 しかし無謀ですなあ。定員オーバーの上、釣り用ボートなので自動排水はもちろんなし。おもちゃのようなパドル2本だけで、ヘルメットもなし。そういう無謀なところは嫌いではないです。が、なぜよりによって大歩危を下るのか。会社では私なんかよりずっとデキそうな人ばかりなんだから、事前に下調べして可否判断くらいできそうなものですがね。

 救助劇が一段落したところで、後輩アズマックスと交代。彼、来月の長良川WWFにダッキー部門で出場予定なのです。ちなみに大会へは初参加。
 そのアズマックスですが、代わった直後の瀬でいきなり沈。
 最後の岩原の瀬でも沈。
 三段の瀬以後の二つの瀬で、いずれもフリップです。大丈夫かなあ…。レース以前に、長良川を下りきれるのでしょうか。本人が最も不安になっていたようで、来週の長良川での練習に参加するらしいです。

 結構時間を費やしてしまい、プットアウトの岩原に到着したのは13時半ごろ。帰途に着いたのが14時半ごろ。経済的な理由で徳島・淡路島は主に下道を使いましたが、22時には帰宅できました。
 今回は、身体がいつになくボロボロです。やっぱり四国三郎は凄まじかった。盆休みにダッキーで無沈で下れたことから、心のどこかで油断があったんでしょうね。見事にハナをへし折られたという印象です。余裕を持って楽しんで下れるようになるまでにはまだまだかかるかなあ。しかし、今回の下手クソならではの体験、おかげで最高の思い出になりました。あとは小歩危での恐怖体験に懲りて、後輩たちがラフトに金輪際乗らないということがなければいいんですがね。

夜半はだいぶ冷えるようになってきて、寒がりな私にはツライのですが、ラナにとっては大分過ごしやすくなったみたいです。

豊永の瀬。これくらいなら皆さん、余裕を持って楽しめます。

飛び込み岩からのダイブ!

途中から代わりばんこでダッキー体験。総じて好評。

因幡の白ウサギ伝説再現を試みました。結果は、…。
2005年9月24日(土)
64 フリップ、ラップ、サーフの三重苦!(小歩危2)
水位:0.31m(大豊) 気温:25℃(池田) 天気:晴れ時々曇り
区間:岩原〜川口 メンバー:後輩1号 プラス 探検部後輩6名

 最大の目標であった小歩危ダウンリバーを達成してからはや一ヶ月経ちましたが、今日、ラフトガイドとして再び下ることになりました。メンバーは、大学の探検部の後輩です。ちなみに一番下とは10歳くらい年齢が離れてしまっています。
 ウチの部員は探検部といえど、ラフティングの経験がほとんどない人間ばかりで、いきなり小歩危というのはキツい。私もラフトで小歩危を下るのは4年ぶりで、かなりブランクが長い。ということで、自身の肩慣らしも含めて大歩危・岩原からスタート。
 ところで、今度はラナも連れて行くことにしました。フリップした際にラフトボートの下敷きになったときのリスクが心配で、最後まで迷ったのですが、四国まで来てクルマで一日留守番というのも可哀想だし、無沈で下りきった前回よりさらに水位が少ないし、大丈夫だろうと判断してのことです。甘かったと後で思い知ることになるのですが…。

 水量は、前回下ったときと比べて激減しています。5日くらい前までは1mを越えていた水位も、現在はたったの0.3m。早明浦ダムの放水量が0tなのが大きく影響している模様です。
 大歩危セクションは、大歩危大橋の手前の瀬で左岸の岩にブリーチし、私以外の全員が落水したことを除き、問題なくクリア。
 ウェスト付近で昼食後、いよいよ小歩危セクションへ。幾分緊張してきましたが、一ヶ月前のプレッシャーとは比べものになりません。ラフトというのは文字通り大船に乗った気分にさせるのです。
 鉄橋の瀬、森囲いの瀬は難なく突破。森囲いは前回と違い、メインルートを選択しました。二段、立て続けにドロップが連続。ボートが水没しそうな勢いでした。水量が減ってもとてつもないパワーがあります。腐っても小歩危、というところですね。

 地獄巡りNo.3 は二段の瀬。ここまでは余裕こいてましたが、ここでついに小歩危の洗礼を受けることになります。
 一段目。右手側の大岩に寄せるところまでは良かったのですが、ボートが左斜めを向いた状態で落下。これが想定外の落差の大きさで、ラフトボートがタテになるくらい。一瞬動揺し、動きが止まってしまう。
 アタマの中で、待ち構えるストッパーとボートの向きとズレていることを認識し、ヤバイ!と考えた瞬間にはもう、時計回りにフリップ。
 気が付くと、視界360°すべてが真っ白。身体がなかなか浮き上がってこないのでボートの下敷きになったか?と思い、上空に向かって手を伸ばしてみますが、手応えがない。単に沈められているだけのようです。
 がむしゃらに水面を目指して泳ぎ、ようやく水面へ。ラナは?と周りを見渡すと、下流側で泳いでいるのが見えました。ひとまずは安心と次にボートを探すと、やや上流側を流されている。
 ボートまで泳ぎ、サイドロープを掴む。
 そのままの状態で二段目を落下。なすすべもなく再び沈み込まされましたが、両手で掴んでいるボートの浮力のおかげで間もなく浮上。
 ここでフリップリカバリーを試みる。が、腕に力が入らず、ボートの上に上がれない。睡眠不足による体調不良に加え、大歩危ロングコースを漕いだせいで、かなり疲労が溜まっていたようです。
 いったんエディーに入って仕切りなおそうと、ボートを右岸に寄せて再チャレンジ。時間はかかりましたが、今度は何とか上れました。Tグリップをベイラーの穴に引っ掛け、背中側に倒れこむ。元の状態に戻ったボートに再乗艇。少し下流のエディーで待機していたメンバーを回収。全員、無事のようです。
 しかし、すでに疲労困憊の状態。また、この水量ではたとえ小歩危といえども7人+1匹が乗ったボートがフリップするとまでは思っていなかったので、精神的にもダメージが大きい。まだ前半戦終了の段階というのに前途多難です。

 次は大滝。
 前回同様、ラフトボートでごった返していて、待ち状態が発生したこともあり、休憩を兼ねて瀬の下見をしました。
 一群が下り終わった後で、我々もトライ。難しいのは瀬の入り口が浅くてスタックしやすいことくらいですが、二段の瀬で失敗しているのでかなり緊張します。慎重にコースを選び、ラストの特大の落ち込みへ。今度は向きをきっちり合わせることができ、問題なくクリアできました。
 ちなみに、ここで某カンパニーで陸上サポートをされていたNやん氏に久々に出会いました。根尾東谷川を一緒に下って以来です。今年から関西地区でラフトガイドをされているらしいです。

 次はいよいよ小歩危最大・最長の曲戸の瀬。
 ここも渋滞していたので下見しました。一段目を通過する際の通常ルートである右岸側コースが相当浅くなっていて、スタックするボートが続出。左岸側コースから回り込むようにルートを取るボートとルート選択が二手に分かれていました。
 しばらく眺めていましたが、右岸側は通過可能のコースがかなり限定されていますが、一段目の落ち込み手前にある左手側の岩ギリギリに沿って落ちればスタックはないようです。そこを狙うということで、前回と同様に右ルートを取ろうと決断。

 ここはかなり難しい。小回りが効きやすいようにスピードを殺して、徐々に近付く。前方左手側に例の大岩。その右側が一段目のドロップになるのですが、コース中央は水面が大きく盛り上がっています。隠れ岩と思われます。
 狙うは、中央の盛り上がりと左手大岩の隙間。
 大岩をかわし、盛り上がりの左に入ろうと試みる。が、ボートは無常にも盛り上がりに吸い寄せられ、盛り上がりの上から落下。
 しまった!と思っても、時すでに遅し。
 ここで改めて思い知ったことなのですが、ラフトではしまった!と思ってからダッキーと同様の動きをとることは難しい。乗員に指示して漕がせるまでのタイムラグも考えると、ダッキーより2、3テンポ早いタイミングで行動しなければならなかったのですが、今回は対処が遅かった。

 隠れ岩を乗り越えたボートは案の定スタック。バウが乗り上げ、間もなくスターンが下流側に引きずられてがボートが横向きになる。横向きの状態で止まったかと思うと、上流から水がどんどんボートに流れ込み、完全に張り付いてしまいました。ジャンプしてもまったく動く気配がない。
 ラップです。
 不幸中の幸いは、誰も落水していないこと。張り付いているのはバウから中央にかけてのようなので、私の座るスターンに重心を移せば何とかなるかもしれない。そこで全員後ろに来るように指示を出しましたが、水流が強く、みんなボートに残るのが精一杯で、なかなか身動きが取れない。かくいう私も左手はラナを掴み、右手がサイドロープを握った状態なので、この場所から動けない。
 しかたなく動けるメンバーだけで何度も揺すってみますが、動く気配がない。どうしたものかと思案にくれていると、右岸側から上流のエディーで待機していたコマーシャルのガイドの方がフリップラインを使えと指示。
 そうだった。焦って忘れていました。バウに座るメンバーに、フリップラインを渡し、前部を浮かせようと指示。

 しかし、それでもまったく動かない。
 ボート内に水が常時流れ込み、水圧がかかっているので簡単には動かないのです。ボートが軽くなれば動かすのも可能です。つまり、ボートからメンバーを下ろすのもひとつの策なのですが、ここはまだ最大の落ち込み・奈落の手前。ここから泳ぐのはかなりきついので、メンバーを下ろすわけにもいきません。
 出した結論は、ロープを引っ張り、フネを揺する作業を地道に続けるしかないということでした。上流側でもサイドロープを引っ張って揺すってもらう。
 水圧に負けないように体勢を維持するより、先行きが見えないことへの不安で折れそうになる心を持ちこたえさせるのに必死でした。過去の経験を糧に、大丈夫だと自身に言い聞かせながら、合わせて、どうしても剥がれなかった場合の処置方法、うまく剥がれた場合の対応など、いろんなことを同時に考える。
 時間がとてつもなく長く感じる。

 動いた。
 どの動きが効果的だったのか分かりませんが、底をズルズルと引きずって動き始めました。僅かだったその動きは間もなく底に大きな音を立てながら、加速的になる。
 すぐに全員に元の位置に戻るように指示。剥がれてもその後フリップしたのでは目も当てられない。再び流れ始めたボートは後ろ向き。奈落までに戻す時間はない。
 そのまま後ろ向きで落下。
 加速が弱かったので一瞬止まりましたが、角度は合っていたので、無事に突破。すぐに前向きに戻し、残りの瀬も下りきる。
  全員の無事を確認。ラフトって、他のメンバーの安全も確保しないといけないという面で、一人で下るダッキーとは全然別の怖さがありますね。今回のはマジで心臓に悪かったです。

 全員疲労困憊でしたが、小歩危はまだ終わらない。鮎戸の瀬がまだ控えております。下見したところ、右岸側のチキンコースは浅い。もうスタックは金輪際ご勘弁ということで左岸側のメインルートを選択。
 ここを下れば終わりと最後の力を振り絞るように勢いよく飛び込むも、一段目のラストで左岸側の岩に接触。バウを軸にスターンが振られ、遠心力でラナと後輩Kが落水。しかもボートが横に振られた影響で、ラストのバックウォッシュを乗り切れず、ナチュラルサーフを始める始末。
 ここで落ちては悲惨である。曲戸の瀬で全員すでにいっぱいいっぱいなので、心が折れかねない。アウトウォッシュにパドルを入れる。二漕ぎ、三漕ぎ。ようやく脱出に成功。
 その間にラナは自力で左岸のエディーを取って待機していました。すごい犬です。ラナを回収している間に、後輩Kは二段目を流され、自力で右岸に上陸。曲戸の瀬とのダブルパンチでかなり堪えたようでしたが、幸いケガもなく無事でした。

 プットアウトの川口に辿り着いたのは16時ごろ。全身ズダボロになってました。手にはいくつものマメができ、曲戸でロープを握っていた右手は内出血。腰痛に、両腕、背筋、お尻が筋肉痛。
 キャンプでは後輩たちがメシを作る途中にダウン、メシを食べた後も21時ごろに再びダウン。そのまま朝まで寝てしまいました。

 【今回の教訓】
 ・たとえ水量が少なくても、小歩危は危険!
 ・ラフトはダッキーとは違う乗り物。より早いタイミングでのアクションを。


ラナは小歩危デビュー戦です。ラフトとはいえ、小歩危を下った犬はそうはいないと思います。

大滝。

ラストのドロップ。

下流から見た図。

曲戸の瀬。奈落手前の落ち込みはご覧のとおり浅くてスタックするボートが続出。

こちらもスタック。

奈落の落ち込み。パワーは前回よりも落ちていて、横向きに落ちたボートもありましたが、フリップはなし。

一段目。何度もイメトレしましたが、健闘虚しくも失敗。

奈落の落ち込みは右岸側ギリギリをバックから。去年までならラップ岩に引っかかっていたかも。

これはキレイに通過。お手本のようなコース取り。

奈落もうまく落下。

鮎戸の瀬。前回よりパワーは感じませんでしたが…。

救助されるKさん。トラウマにならなければ良いのですが。

ゴールの川口駐車場。疲労困憊でしばらく寝転がってました。

岩原のキャンプ地にゴールデンレトリーバー出現! バジルというお名前らしい。食いしん坊でした。
2005年9月19日(月)
63 休息(奈良吉野川10)
水位:1.01m(五条) 気温:30℃(五條) 天気:晴れ
区間:梁瀬橋〜天理教教会下 メンバー:後輩1号

 修理に出していた防水デジタルカメラがようやく返ってきました。
 8月22日を最後にうんともすんとも言わなくなり、ヨドバシに修理に出して3週間。シビレを切らして確認の電話を入れた翌日に修理完了の連絡が入りました。保証期間中ということもあって無償でした。
 しかし、原因は何だったんでしょうね。コメントには、「電源部入り不のため下記部品を交換、各部点検しました。 回路基板」とのみ書いてありましたが、結局故障した原因については分からずじまい。

 さて今日は久々にナラヨシへ。せっかくの三連休ということもあり、どこか遠出するのもありだったのですが、大会2連チャンはさすがに堪えたので、土日はお休みすることにしたのです。
 日曜の晩からナラヨシに入り、のんびりとキャンプ。天竜川WWFの賞品として獲得したテーブルを活用したくて、ついにイスを買ってしまいました。とっても快適です。もう地べたに銀マットの生活には戻れませんなあ。これで完全にキャンパーの仲間入りですね。

 翌日。川の色は増水した長良川のように青白い。笹濁りですが、川底のヘドロも流されていて、以前訪れたときと比べると随分キレイになってきています。
 今日はクルマ一台だったのでチャリでの回送予定でしたが、テツのパパが声をかけてくれ、お言葉に甘えてラナごとクルマで送ってもらいました。ありがとうございました。

 ところで今回、フットポンプを新調しました。前回のWWFでエア漏れを起こした原因として、フットポンプの空気圧が弱まっていて空気が入りきらなかったことにも一つあるのではと考えたためです。
 回送中、後輩1号さんに入れてもらってたのですが、果たしてパンパンになっていて、エア漏れの気配はまったくなしでした。いずれにせよ空気圧を相当高めない限りエア漏れを起こすというのは問題なので、修理は検討しますが、これで当座はしのげそうです。

 遊びながら下り、カルディアの瀬へ。ここは前回(8月17日:55回目)キーパーホールに捕捉されたところですが、今日の水位ではあるんでしょうか? 恐る恐る近付くと、ありました。ただ、小さくなっているので、抜けようと思えばいつでも抜けられる状態でした。しばらく乗って遊ぶ。

 ゴールした後は。リンクスの掃除。何年ぶりでしょう。至るところに川底に生えている茶色い水コケみたいなのが生えていて、擦るとタオルがまっ茶色。こびりついた砂を取り、インナーチューブを取り出して内部に溜まった水を吐き出させる。その際判明したことなんですが、リンクスUのバルブって、インナーチューブから取り外せないんですね。黄色いドーナツ状のシートが径を小さくしていて、バルブが引っかかって取れないのです。あとで聞いたパール金属さんからの話では、アメリカのAIRE社に送って修理してもらうか、インナーのチューブごと交換するかになるらしいです。かかる費用は前者が約5万円、後者が約9万円也。うーん。迷う…。

カメラ復活しました。

イスはホームセンターで1000円くらい。重いけど、まあ移動はクルマだし。

ヤナシタ。くるんと回すことはなんとかできます。

阿田橋上の瀬。リンクスUでは遊べましたが、リンクスTはフォームフロアのせいか乗るのが難しい。
2005年9月11日(日)
62 総合、準優勝!【天竜川WWF・ファンスラローム】(天竜川2)
水位:-0.96m(市田) 気温:25℃(飯田) 天気:曇り
区間:阿島橋〜かわらんBAY
メンバー:Tetsuさん、Takeさん、モリ君、後輩1号

 6時に起床。早速、リンクスのバルブ修理に取り掛かる。昨日のうちにカヌマス会長と話し合い、秘策は考えていたのでした。会長、さすがにアイデア豊富です。小細工が得意なだけあって…。
 秘策といってもタネは単純で、水道のホースにクルマのシガーソケットのキャップを詰めただけ。このホースを右チューブのバルブに埋め込んだところ、一応漏れは止まりました。フロアにも同様にホースを詰める。ホースへのフタですが、こちらはガムテでしました。
 これで何とかレースに出れそうです。

 本日はファンスラローム。昨日の順位順で出発するので、我々は5番手。今日は1チームずつ2分間隔で出艇です。
 最初はスローロープ。投げるのはカヌマス会長。昨晩から今朝にかけて、モリ君と共に血のにじむような特訓を積んできました。はたして成果は出るのでしょうか。前の4チームがことごとく外しているので少しは気が楽でしょうが、緊張することに変わりはありません。
 スタートまであと10秒。川原でフネを確保している私には様子がよく見えない。

 スタート。
 ロープ!というかけ声と共にスローロープが宙を舞う。が、周囲は無反応。どうやらダメだったみたいです。
 気を取り直して出発。昨夜はよく寝たので昨日とは比べものにならないくらいに身体が軽い。絶好調です。最大の懸念事項であったチューブもどうやら大丈夫そう。僅かに抜けてますが、この程度ならゴールまで持ちそうです。
 弁天橋が見えてきました。右岸に2番・ロープ登り。この担当は私です。秘策として、足の裏を使って登ろうと考えていて、そのためわざわざ裸足で出場しました。
 眼前ではあひるブラザーズがチャレンジ中でしたが、失敗。
 入れ替わりでロープにしがみつく。がすぐに失敗と悟る。裸足でも滑るのです。しばらく下半身を動かして安定する体勢を模索するも、見つからず。腕だけで耐えていましたが、まもなく気持ちが切れ、手を離してしまいました。
 これで1番、2番連続で失敗ですが、まあ過去は考えまい。大事なのは次をクリアすること。気を取り直して、フェリーで左岸へ。

 3番は赤いバケツをパドルで叩くというもの。楽勝だと思っていましたが、流れのある箇所に設置されていて、気を抜くとフェリーで辿り着けずに流されてしまう。ロープ登りの直後では体力的にキツイがこれは絶対に落とせない。斜めでの進入となりヒヤッとしましたが、何とか圏内に。カヌマス会長がパドルを叩き、成功。ようやく初クリアです。
 意気揚々と漕ぎ始めましたが、まもなく水を差すようなショッキングな光景が眼前に現れました。なんと、弁天港から遊船が出ているではないですか。スピードは我々のほうが若干速いので、じりじりと近付く。途中でようやくあひるブラザーズを追い抜きました。遊船まであと僅か。しかし、邪魔をしたら失格なので迂濶に追い抜けない。

 やがて二又ルート。遊船の船団は昨日通った右ルートへ。我々は仕方なく左ルートを選択。慣れないコースで、しかも水が濁っていてルートが取りにくい。進入した左岸側はやたら浅くて、案の定スタックしてしまい、10秒近くロス。その後はうまく切り抜けましたが、二又が出合う地点で遊船団と再びバッティング。船団の間に入り込む形となってしまいました。これではコースもスピードも限定されてしまいます。
 全力で漕げないのでイライラしていると、左岸に控えるスタッフから停止命令。
 助かった。と思ったら、2分しか待たせてもらえませんでした。最後の遊船がまだ目の前にいます。これでは遅かれ早かれまた追い付いてしまうではないですか。
 案の定、すぐに追い付きそうになったんですが、追いつく直前に水神橋に到着。ここには右岸、左岸に5、6番ゲートがあります。どちらもアップゲートなのですが、実はここにきてやっとマトモなスラになります。
 天竜川のこの区間の特徴なんですが、全体的に流れが強く、瀞場らしい瀞場は存在しません。普通、アップゲートはエディーに設置しそうなものですが、流れは弱いものの、厳密にはエディーではない箇所に設置されてます。それを考えず、通常のエディーキャッチと同じ入り方をしたものだから、バウラダーで上流を向いて止まるはずが、惰性で流され続け、右岸に激突してしまったのでした。すぐに体勢を立て直し、無事にクリア、引き続きフェリーグライドで左岸に渡り、6ゲートもクリア。なぜかゲートのすぐ下に釣り師がいて、すごいやりにくかったですが。

 いよいよ鵞流峡の入り口までやってきました。すると、昨日2位のゼッケン4番が右岸に待機しているのが見えます。
 遊船待ち?…ではなさそう。何かトラブルがあったようですが、ケガした様子はなさそうなので、近くにいたレスキュースタッフに任せて先を急ぐ。ちなみに後で聞いたところでは5番ゲートでフリップして流され、、パドルを流失したらしいです。
 鵞流峡に入るとまた遊船に追い付いてしまいました。抜くに抜けずイライラしているところに、7番の舞台に到着。ここでは岩に登ってロープ結びをします。お題は、「クローブヒッチ」。これは前夜に説明を受けていたので事前に練習しており、担当のカヌマス会長は余裕でクリア。

 再び少し差の開いた遊船を追いかける形で出発。我々が7番に入るときに入れ替わりで出たゼッケン9番が今度は遊船の真後ろに張り付いた状態になっています。
 昨日、沈みそうになっていた瀬も楽勝で突破。エアの抜けたダッキーで鵞流峡を下るのはある意味ではすごいことなのではと思いながら、最後の瀬を抜け、天竜橋へ。ここで8番ゲート。左岸のアップゲートです。ここでゼッケン9番とクロス。ようやく捕まえました。遊船のゴール地点である時又港付近で追い抜く。
 これで4位から2位までのチームを抜いたことになります。あとは1位チームのみなのですが、残念ながら姿のカケラさえ見えない。

 あっという間にゴール付近。最後の難関は9番、船上からのロープ投げです。的は陸上。フネを岸ギリギリに持っていって位置を固定。名誉挽回を期してカヌマス会長が投げる。
 ロープは弾丸ライナーとなって、今度は見事に命中。ロープ取り込みもそこそこに漕ぎ出し、そのままゴールへ。
 ゴールには昨日の1位、ゼッケン9番の黄色いライケン艇がすでに到着していました。

 14時半より表彰式。全員が会場に集い、スタッフの方の言葉に全神経を集中する。
 ファンスラロームの結果は、2位でした。ポイントは3207で、1位の3143とは64ポイント差。ロープ登りの120秒が効いてしまいました。うぅ、惜しかった…。来年までに、漕ぎ以外にも、ロープ登る練習もしないとなあ。
 あひるブラザーズはスラの不通過が響き、8位に後退。代わりにニートとミートがまさかの3位入賞という大躍進。モリ君、ロープ登りを見事に決めたらしいです。

 総合では、2位でした。ニートとミートは4位で、あひるブラザーズは7位に終わりました。
 優勝を狙っていただけに無念でしたが、まあ初日の結果を考えれば健闘できたかなと思います。初日、諦めないで漕いで本当に良かった。
 ちなみに賞品は、ファンスラ2位分が蛍光ランタン、総合2位分がテーブルでした。探検部時代より、キャンプは銀マットと相場が決まっていて、テーブルや椅子を使う観念はなかったので今まで持っていなかったのですが、これはキャンパーになれという天の啓示なのでしょうか。

 料理コンテストでは、あひるブラザーズのダッチオーブン料理が見事に佳作入賞。彼らは納得していない様子でしたが、全部で50チーム近く参加している中での佳作入賞はさすがだと思います。

 最後は恒例のジャンケン大会。
 最後の賞品ダッキーでは例によって初戦敗退。しかし、今年は隠し賞品としてなんとラフトが!
 順当に勝ち続けるのはモリ君。「いらない」とか「止めたい」とか最後までつぶやいていましたが、こういう人が勝ってしまうのが世の中というもので、見事に賞品をゲット。迷艇RV4000のオーナーとなりました。何でも来年、このブラックタイガーで大会に出なければならないらしい…。

昨日の轍を踏まぬよう、入念にチェック。

Tetsuさんのトムキャットのバルブ。リンクスとまた異なる。

先週の北山川の大会でゲットしたトムキャットのバルブ。Tetsuさんのバルブとは違うタイプになっています。

表彰式は去年と同様、トラックの荷台で行われました。

表彰は、初日のダウンリバー部門、二日目のファンスラ部門、総合の三つで行われ、それぞれ賞状と賞品がもらえます。

そういやトロフィーもいただきました。

結果は掲示板に貼り出されます。飯田市のホームページにも掲載されてます。

ジャンケンに勝ってオカモトRV4000 を獲得したモリ君。なぜか背中が敗者のそれである。

来年はこのフネに乗って出場することを約束させられてました。

一番手前のが、今回もらったトロフィーです。
2005年9月10日(土)
61 エア漏れ、でも完漕!【天竜川WWF・ダウンリバー】(天竜川1)
水位:-0.90m(市田) 気温:30℃(飯田) 天気:晴れ
区間:阿島橋〜川路かわらんBAY
メンバー:Tetsuさん、Takeさん、モリ君、後輩1号

 リンクス、トムキャット以外にも、アキレス、ライケンなど多種多様なボートがずらりと並ぶ。驚いたことに、11の出場チームうち、リンクスUで出場しているのはたったの3チーム。ところ変われば変わるものです。

 さて、今日は長野県は飯田市で開催されている天竜川ホワイトウォーターフェスティバルに出場してます。先週に引き続き、カヌマス会長とコンビを組んでの参加です。昨夜の到着が遅かったため(会長は4時ごろだったらしい)、睡眠不足により体調は万全ではありませんが、連覇を目指して気合は十分。
 初日はダウンリバー。阿島橋からかわらんBAYまでの11kmコース。
 フネの調子は相変わらず悪く、バルブがいかれてしまったのか、何度入れてもエアが漏れます。変形させたせいかなあとフネを縛るラインを外して元の形に戻してみました。まるで効果は見られませんでしたが、30分ほど粘って調整した結果、一応止まりました。
 いったん陸に上がってスタッフからの説明を受けていると、あっという間に出艇時間。先週とはうって変わって今日はしょっぱななのです。
 慌ただしくフネに乗り込むと、右チューブに違和感。柔らかくなっています。げっ、エアが漏れてる…!?
 スタート10秒前。もうどうしようもない。
 絶望的だが、ひょっとしたらこの状態でキープできるかもしれないと一縷の望みを託して出艇。同時スタートしたのはTetsuさんとTakeさんの「あひるブラザーズ」。タンデムでは初出場らしいです。直前を漕いでいましたが、瀬の入り口で抜き去り、先頭へ。

 やがて弁天橋に到着。右チューブはまだ何とか持ってますが、確実に萎んできています。このペースだと、多分ゴールまでは持たないだろうな…。
 水神橋を通過。モリ君の口癖をマネするわけではないですが、もうダメだ。右チューブはほぼ完全に萎んでしまいました。フロアも軟らかくなっています。たわんでしまったせいで、スターン側に縛っていたラインはいつの間にか外れて流されてしまっています。
 右サイドチューブが水面とほぼ同じ高さになってしまったので、フロアは完全に床上浸水の状態。唯一無事である左チューブに体重をかけ、左にリーンをかけるような体勢でバランスを取りながら漕ぎ続けますが、やはりスピードは格段に下がる。なんたって半分沈没してますから。ついには鵞流峡(がりゅうきょう)の手前で後続に追い抜かれてしまいました。ゼッケン4番。2分後の出発ですので、この時点で2分差を縮められた格好となります。
 追い抜かれた時点で、右チューブだけでなく気持ちがみるみる萎んできました。
 あ〜あ、優勝はムリか…。
 しかし、そもそもこんな状態で下りきれるのか? 棄権か?
 いや、棄権すると入賞の可能性が完全にゼロになってしまう。しかし。
 たぶんカヌマス会長も同じような気持ちだったでしょうが、でも何も言わずひたすら漕ぎ続けています。それを見て、一位はムリだとしても、せめて無事に完漕して明日に繋げることを第一に頑張ろうと自らを励ます。

 いよいよこのコースメインの鵞流峡へ。
 頑張ってゴールまで漕ごうという気持ちを繋ぎ止めているのは糸1本。ここで沈でもしようものなら、おそらく糸は切れてしまうことでしょう。沈だけはしないようにと、さらに左側に重心を持っていき、左パドルのみで漕ぐ。半分水に浸かり、カヌーというよりはもはや沈没船です。所々に控えているレスキュースタッフがよく制止しないもんだと思います。この姿って、どう見てもマトモではないと思うのですが…。
 右パドルを入れようものならおそらく即座に右側に滑り落ちるでしょう。ムリな体勢が続くので、右側の背筋が張って鈍い痛みがする。
 鵞流峡最後の瀬。ここで今度はあひるブラザーズに追い抜かれる。く〜、一度は見えなくなるくらいに突き放したというのに…。とはいえ、こっちは浮いているのがやっとで、何もできずにただ離されていくばかり。

 しかし鵞流峡は何とか無事にクリアできました。天竜橋を越えると右手に時又港。去年のゴールです。今年はさらにプラス2km下流がゴールになっていて、この状況下ではその2kmがとてつもなく長く感じる。ムリな漕ぎ方がたたって、左手親指のマメがつぶれてヒリヒリする。
 流れは緩やか。ここでカヌマス会長が左チューブにお尻を置くように体勢をチェンジ。もはやこのほうがフロアに座るより安定するのです。それに気付き、しばらくして私も同様の姿勢を取る。右に曲がろうとすると途端に水ブネになるので慎重に漕がないといけませんが、体勢が楽になった分、さっきよりはスピードが出てきたような気がします。
 その後は4分半後に出艇した8番にも抜かれましたが、無事にゴールにたどり着きました。
 とんだトラブルに見舞われ、口惜しさで心の中は悶々としてましたが、途中何度か気持ちが折れそうになりながらも踏ん張り、完漕できたのはホントに嬉しい。

 結果は、5位でした。あひるブラザーズは4位で、ニートとミートは7位。連覇は赤信号ですね。残念でしたが、明日のファンスラロームの結果次第では総合で入賞するのも不可能ではない順位です。全力を尽くして、入賞を狙いにいきたいと思います。

初日の結果。このとおり夕方になると大会本部前の掲示板に張り出されます。一時間くらいは人だかりで近付くことさえままなりません。

初日の結果詳細。我々は5位でした。1位とは実に301ポイント(5分1秒)もの差が開いてしまっています。ちなみにSTペナルティって何のことでしょう。一律180P加算されていますが、理由はよく分かりません。

明日のファンスラロームの解説も、今晩のうちに行われます。去年と違うのは Aロープ登り、Fロープノット、G船上からのスローバッグ。フツーのスラロームと一線を画しているのがこの天竜川WWFの特徴です。
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