水位:0.23m(直見) 気温:27℃(西川) 天気:晴れのち曇り
区間:滝の拝〜浦地 メンバー:Tetsuさん
早朝、赤木川から小口川へと県道44号線を遡り、那智勝浦で43号線に入り、古座川町へ。標高800mクラスの山越えだったのですが、道幅狭く、カーブ多く、かなりレベルの高い道で、不覚にも車酔いしてしまいました。
ちなみに、那智勝浦周辺は見渡す限りのはげ山が二箇所ほどあり、こんな水源地帯で山がはげていて大丈夫なのかしらんと不安になるといったことも。古座川町に入ると、広葉樹の割合が多くなり、明るい雰囲気になりましたが、落ち葉が道を隠して怖い。そんなこんなで2時間ほどかけてようやく目的地の「滝ノ拝」に到着。
さて、紀州の名川巡り第二弾は古座川支流の小川です。ちなみに「おがわ」ではなく、「こがわ」と読みます。
ちなみに、古座川本流は去年下ったことがあります(19,20回目)。景観には圧倒されましたが、水質ははっきり言って期待はずれ。それが一気にキレイと呼べるレベルまでアップするのが、小川合流点から下流なんですね。
今回、小川を選んだのは、その水質もさることながら、スペシャルゾーンが二つもあるためです(地図)。
一つは、「滝ノ拝」。
不思議なもので、いきなり大規模な岩床が現れ、その中を落差8mの滝となって流れ落ちているところです。「滝の拝太郎」の民話も
残っています。その岩床、大小の穴ぼこだらけなんですが、民話によると、滝の拝太郎が毎日刀で掘った跡らしい。迷惑な話ですな(笑)。
もう一つは、「柿太郎まわり」。
「冷や水」、「暗がりの空中遊泳」などの七不思議伝説を持ち(詳しくはこちら)、蛇行しまくりで周囲にまったく人工物のないゾーンになります。
こんなスペシャルゾーン、一つあるだけでも行く価値あるのに、二つもあったら、もう絶対行くしかないですよね。
ただ、残念なことにはこの川も水量が少なく、瀬ごとに歩かされることが予想されたため、コース設定は短めに、ゴール地点は柿太郎まわりを通過してまもない浦地に設定しました。スタート地点はもちろん滝ノ拝です。区間は車道で5km程度ですが、柿太郎まわりがプラスされるので、それでもかなり長い距離になりそうですけど。とりあえず、古座川との出合いまで下るのは次回に持ち越しですね。
ダッキーをポンプアップしてソッコーで滝ノ拝の滝壺へ直行。橋の上から見ていたとき、滝ノ拝の左岸に設けられた魚道に魚がぴょこぴょこ跳ねて遡上しているのが見えたからです。あれなら手掴みできるかも…、と思うといても立ってもいられなかったのです。
ヨシノボリもたくさんいましたが、ぴょんぴょん跳ねていたのはなんと、稚鮎でした。それも一匹や二匹ではなく、魚道が群れで埋まるくらいに密集しているのです。意外にてこずりながらも、ようやく一匹ゲット。この鮎、持って帰ると怒られそうなので、もちろんその場でリリースしました。鮎取りに夢中になりすぎて、岩の上で滑って転んでヒジとみぞおちを強打し悶絶したりしてましたが、しかし、まさかこの時期にこんなことができるなんて、大満足です。魚影の濃さには☆をあげたいです。
ちなみに、滝落ちも狙ってなくはなかったのですが、滝の幅が狭すぎてダッキーでは間違いなくつっかえそうだったので諦めました。てか、8mもあったらフツーに怖いし、幅あってもやってないとは思いますが…。
ところでTetsuさんとはいえば、…泳いでいたそうです。まだ4月なんですけど…。
出発したのは、12時過ぎ。水は抜群にキレイで文句なく10点満点をあげられますが、赤木川と比べると少し重い色がついているという印象を受けました。あと、水面に泡が多いのが気になります。
水量が足りず、予想通り、昨日に引き続き瀬ごとにライニングダウンするので遅々として進みません。2時間ほど漕ぎ歩き、ランチタイム。左岸には道があるのですが、右岸側には道が見えなかったので、漕いでる時間を考えると、もう「柿太郎まわり」に入っているのかなとすっかり思いこんでいました。左岸の道も、新しくできたのかなあと。
全然違いました。
橋が見えてそろそろゴールかと思ってたら、川が再び右岸沿いの道から逸れて東進している。まさか…と思うや、Tetsuさんが、道路にある「柿太郎まわり」の看板が見えました、と。
えっ、ということは、本番はここから…? 結構歩かされたんですでにバテてきてるんですけど…。
歩きつかれたこともあって、いささかゲンナリしつつも、いよいよ今度は本物の「スペシャルゾーン」に進入です。
この時代、人の匂いのしない景色は日常生活ではまずほとんど見られないと言ってもいいでしょう。それはカヌーをしているときでも実は例外ではなく、漕いでる区間がいかな過疎地であったり渓谷部であっても、川沿いにはたいてい、道路や線路、橋、高圧線、または田畑といった人工物があります。
しかしこの「柿太郎」、それらが一切ないんですね。
道がないので、水路を使ってしか立ち入れないゾーン。今どき珍しい「秘境」を味わうことができました。
とはいえ、相変わらず歩いては漕ぐ、漕いでは歩くの繰り返し。ラナもフネに乗ったり川原を走ったりでムリがたたったのか、肉球から出血。すぐに血は止まりましたが、二人と一匹全員がかなり体力を消耗している状態に。あまりよくないことですね。
ヤバいな、まだかな、と思っていたところに、ようやく道路が見えてきて、まもなくゴールの浦地に到着。時刻は16時半。川原で昼食タイムを取ったとはいえ、なんと4時間以上もかかってしまいました。
今日はホント疲れた〜…。朝のハイレベル峠越えドライブとこの川歩きとで疲労ここに極まれり、この日はメシ食ってすぐに就寝という体たらくでした。20:30という、小学生でも今どきこんな時間に寝ないよという時間に、全員泥のように深い眠りの底へ。
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