ツーリングレポート(覚え書き)
ツーリングレポートを時系列で載せています。原則として、川を下る都度に更新されますが、たまにとっても遅れます。
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2005年4月17日(日)
20 第2回潮騒カップ(箱作ぴちぴちビーチ)

水位:− 気温:20℃(熊取) 天気:快晴
区間:せんなん里海公園 メンバー:後輩1号

 今日はシーカヤックの草レース、塩騒カップに参加してきました。この大会、シーカヤックがメインですが、ダッキー部門があったので参加することにしたのです。コースは約200mのスプリントレースです。
 ダッキー部門の出場数は、本日飛び入り参加の後輩1号を含めて4チーム。あとの2チームは可愛い子供さんを前に乗せての出場。ラナは、初めは後輩1号の乗るリンクスに乗せて出ようと思ってましたが、私が前を漕ぐと間違いなく追いかけて飛び込んでくることが予測されたので、オトちゃんに預かってもらいました。ちなみに、長年カヌーやってますが、海で本格的に漕ぐのは実は今日が初めてだったりします。

 結果は、2位でした。
 スタートは、砂浜を50m走ってフネに乗り込むところから始まるのですが、乗り込むのに手間取り、20mほど離されてしまいました。折り返しのブイで首位には立ったものの、後半は思うようにスピードを出せませんでした。結局、振りきれず、砂浜に着いたのはスターンズの親子チームとほぼ同着。あとは砂浜50mダッシュですが、隣で必死に走る小さい女の子に勝ってもどうかなあと思い、途中でスピード緩めて譲りました。本人は自然に振る舞ったつもりでしたが、周りからはどうにもバレバレだったのがちょいと恥ずかしかったですね。

 まだまだ修行が足らんのう と、ちょっと落ち込みながら、その後に温泉入りに行って、メシ食ってたのですが、会場に戻ったときには表彰式は終わってました。
 次は秋にやるみたいです。「海の男」も気さくでなかなか味のある人間が多くて楽しかったです。都合つけばまた出てみたいですね。

 ちなみに、櫛田の王子たちはやっぱり滝落ちしたそうです。本人曰く、余裕だったとのことですが、ホントに余裕かどうかは動画を見て判断しましょう。「あひるブラザーズの」ホームページから見ることができます(→こちら)。


初めて海を漕いだ印象は、悪くないなという感じ。意外とベタつかなかったし、水もキレイだったし。

波止場を越えるとうねりが出て、底知れない怖さがありました。海は慣れるまで時間がかかりそう。

シーカヤックでのロールお手本。
2005年4月16日(土)
19 滝落ちにチャレンジ!(櫛田川2)

水位:-0.13m(田引) 気温:22℃(粥見) 天気:快晴
区間:森公園〜赤桶堰堤 メンバー:カイチョー Tetsuさん 音ちゃん

 先週の根尾東谷川、益田川という激流づくしですっかりくたびれた私は、癒しを求めて伊勢は櫛田川へ。くたびれたんなら家で休めよ、ってなところですが、自宅療養はラナが許してくれないので、常にどこかに外出しなければならないのです。どうせ外出するなら、やっぱ川だろうということで、今日も川なのでした。
 メンバーは、カヌマス会長とTetsuさんにオトちゃん。最近、学生のとき以上にカヌマス会長と行動を共にしていますが、本職のNKC(長良川カヤッククラブ)の運営は大丈夫なのかと余計な心配をしてしまいます。TetsuさんはTetsuさんで、金曜日は営業会議で伊勢方面に行っていたらしく、なんと社有車でそのまま直行という猛者ぶり。オトちゃんは、探検部の後輩。去年のクリスマスに長良川を下って以来の参加となります。

 今日は癒しを求めていたので、候補には赤桶堰堤から道の駅飯高までの約5km区間か、堰堤から向粥見の川原までの約15km区間の2パターンを考えていたのですが、二人から返ってきたのは第三の答え。
 すなわち、蓮川の出合いから道の駅飯高の約20kmコース、と。
 距離もさることながら、あすこには「滝」があるじゃないですか。全然癒し系じゃなくなったのですが、まあ初めて下る区間だし、滝もいつか下りたいなと思っていたので、あっさり同意してしまいました。

 スタート地点の森公園に到着し、滝を下見。蓮ダムの放水量は5tで、滝ツボは巻いていない。下れないこともないけど、やっぱり怖い。止めようかなと思っていたところ、今日のTetsuさんはやけに勇敢で、「今日はいける気がする」とのたまう。どうにも今日は勇者の霊が憑依しているようです。
 結局、普段は決して先頭に立たないTetsuさんが、斬り込み隊長として滝に突入。そして、見事に成功。これで我々は止めると言えなくなってしまいました。
 続くはカヌマス会長。
 キレイに落ちるも、フネがなかなか浮き上がって来ず、上半身だけが浮かんでいる状態。まさにミステリームーヴでボイルを渡る姿に、おおっ、レベル高え〜!っと感心するも、その後沈脱。どうやら、滝落ちの衝撃でスプレースカートが外れてしまったようです。ミステリーも、フネに浸水したため図らずもそういう動きになってしまったようで。
 指を差して爆笑してると、動揺したカヌマス会長、上陸した対岸から「これは沈脱と違う!」とのたまう。本人の弁では、「意図的にスプレーを外したのではないから沈脱ではない」とのこと。
 却下です。
 ま、気持ちは分かりますがね…。てか、そんなの見せられて、一気に士気が下がりました。やっぱ、怖えーじゃん。
 いよいよ私の番。ラナを滝の下でオトちゃんに追いかけてこないように押さえてもらい、単独での挑戦です。フネはGUMOTEX製のサファリ。
 落ちる瞬間はブーフ、ブーフと呪文のように唱えて、加速をつけて漕ぎ始めましたが、滝に近付くに比例して恐怖心が増幅され、パドリングが弱くなるんですね。頭では分かっていても、どうにもなりません。
 半ば諦めた状態で、落ちる。
 落ちてる間の記憶がなぜかありません。気が付けば、周りは真っ白で、浮力が90kgしかないサファリが水面へ頑張って浮き上がろうとしているところでした。その後、バックウォッシュに捉まり、巻かれた状態で浮上。しばらくサイドサーフィンで耐えましたが、ダメでした。沈。
 二人連続で失敗したため、成功率は.333まで低下。これは、初心者のオトちゃんには薦められないなと思っていたのですが、勇者Tetsuさんがもう一度行くと言い出し、オトちゃんを前に乗せて下ることに。勇者、よく見ると鼻が伸びてます。鼻の伸びた人間に対する川の神様の仕打ちはよ〜く知っているので、ここは楽しみにして二人が滝から落ちるのを待ってました。
 結果は、案の定、撃沈。流される二人にはかわいそうでしたが、笑いが止まりませんでした。

 全員滝にチャレンジして、ようやく下り始め。かなり時間を使ってしまっていて、時計はすでに14:30を指していました。
 快適な瀬が瀞場と交互に続きますが、瀞場がやや長い。コース全体の印象から言えば、赤桶堰堤から野々口沈下橋区間のほうが瀞場が短い分、楽しいですね。
 ラナはTetsuさんにお願いし、私はサファリで下りました。ラナは先頭でないと落ち着かず、飛び込んで泳ぎまくるので、普段は最後尾を漕ぐTetsuさんに先頭をお願いしました。先頭をゆく姿は、滝のこともあって勇ましく見えます。勇者様ご一行といった感じ。
 このコースで危なかったのは、2箇所。およそ中間付近に橋を2本、立て続けにくぐるのですが、その一本目の橋の手前の瀬と二本目の橋(栗野橋)の手前の瀬がそうです。
 一本目の橋の手前の瀬では、流れが左右に分かれて細くなり、選択した右コースは右岸の岩壁に当たって左に抜けるタイトなコースで、左に曲がりきれずに沈。これで早くも今年3回めです。
 二本目の橋の手前の瀬は、シーヴになっていて通行不可でした。シーヴなんて、生まれて初めて見ました。フネからはコースが岩に塞がれていて見えなかったので、念のため上陸してスカウティングしたのですが、テキトーに突っ込んでたら、ヘタしたら死んでます。ここは全員ポーテージして回避。ここでも時間を食い、時刻はもう17:30です。まずい。
 また、さっきの瀬で沈したときからカメラの調子がおかしく、ついに電源が入らなくなってしまいました。このカメラ、防水なんですが、どうも浸水していたようです。防水じゃないじゃん。

 コース3/4を過ぎると、赤桶堰堤のバックウォーター区間に。底が土砂で埋まってしまって、川幅が広がり、水深は浅く、落差がなくなり流れも緩やかというダメな川の典型みたいな川相になり、漕ぐにはいささかしんどい。この辺りで、陽は山の端に隠れてしまいました。
 赤桶堰堤前に到着したとき、時刻はもう18時でした。両岸を確認し、ここは右岸側からポーテージと判断。全員が堰堤下に到着したのが18:30.日は完全に暮れていて、辺りが闇に覆われるのは時間の問題です。道の駅まであと5kmほどありますが、明るいうちに到着するのはまずムリでしょう。
 ということで、堰堤から少し下流にある沈下橋でアウトすることにしました。やっぱり、コース設定にちょっとムリがありましたかね。
 私とカヌマス会長で道の駅までの約5kmを歩き、クルマを回収。スタート地点の森公園に戻ったのは、20:30近くになってました。

 ダッチオーブンを期待してやってきた王子とジャンコさん、そして後輩1号さんも合流し、宴会スタートは、22:30ごろ。ただ、下ったメンバーは全員ヘロヘロなもんで、晩飯は各自コンビニなどでできあいのものを購入して済ますことにしました。
 話題の中心は、やはり初めて経験した滝落ちのこと。滝落ちする瞬間は頭が真っ白になってて誰も覚えてませんでしたけど。
 トムキャットの2人艇(402cm)が完全に縦になる落差があるよと言ったあたりから、王子が及び腰になり、やたら逃げに回ってましたが、まあ何だかんだで下ってくれるのでしょう。


斬り込み隊長・Tetsuさんは見事に成功。これで我々は後に退けなくなった。

カイチョー。沈んでよく見えません。

滝落ちした直後のカイチョー。見事なミステリームーヴにレベル高えー!と喚声をあげるも、衝撃でスプレーが外れただけだった。

決定的証拠写真。

ブーフしなきゃあと頭では分かっていても、怖くて加速がつけられない。結局直下にドボン。

浮上できず、サードサーフィン状態でしばらく巻かれる。結局、リカバリーできず、あえなく沈。

トムキャットが完全に縦になります。落差はたぶん4mくらいあるんでしょうね。

Tetsuさん2回目の滝落ち。やっぱり沈しました。オトちゃんにはえらい災難でした。

沈した瀬。右岸側にぶつかって張り付いてしまいました。

栗野橋手前の瀬。本流がシーヴになっていて通れません。左岸からポーテージ。ちなみにカメラはこの写真を最後にうんともすんとも言わなくなってしまいました。
2005年4月10日(日)
18 パドル折れる(益田川1)

水位:1.72m(上呂) 気温:16℃(金山) 天気:曇り
区間:帯雲橋〜焼石 メンバー:Tetsuさん、カイチョー

 21時半にKYOKOさんらと別れた後、高速を含めて2時間ほど走り、焼石駅に到着。そこで独りぼっちで寂しく佇んでいたカヌマス会長と合流し、そのままキャンプ。

 テントの隣を不気味な轟音を立てて流れる川は益田川。このあたり一帯は、飛騨川をそう呼ぶほうが一般的なようです。
 結局、2時近くまで宴会してました。印象的だったのは、会長が持参してきた最新「カヌーライフ」48号を拝見したとき。なんとまあ、「いじくり隊」にTakumaさんが登場してるではないですか。ちなみに、誌面でも紹介されている「塩騒カップ」にダッキー部門があるので、来週日曜日はそいつにラナと出場してみようと思ってます。

 翌朝。川は雪解けで増水しているようで、予想以上に水量が豊富。水位は上呂で1.77m。ただし、濁ってはいません。
 益田川のさらに上流部に注ぐ支流、小坂川も候補に入れていたのですが、増水時はかなり難易度が高いらしいことと、経験者がいないのとで、カヌマス会長と私が二人とも下った経験のある景勝・中山七里コースを選択しました。
 私は水位1.2mのときで、しかもコースの半分しか下ってないのですが、会長は1.6mのコンディションで今いる焼石まで下ったことがあるらしい。ただ相当怖かったらしいです。

 スタートは帯雲橋に設定。名勝・中山七里のちょうど起点となる場所です。水は超がつく冷たさ。絶対、泳ぎたくないです。実は後輩1号嬢も来ていたのですが、彼女は下らず、別行動で下呂温泉に向かいました。
 しょっぱなは、竹原川との出合いの瀬。前回は浅すぎてほとんどコースがなかったのですが、今回は豊富に水を湛え、岩がらみの強力な瀬になっています。
 ゆっくりと瀬に近付く。核心に迫ろうとするや、
 バキン!
 …パドルの左ブレードが折れてしまいました。
 初めはワケが分からなかったんですが、状況を理解してすぐに片パドルで上陸。シングルで越える自信がなかったもので、そのままポーテージして会長らと合流。漕いでて折れるか、フツー? 買い換えて一ヶ月経ってないんですよ。これ。

 代えのパドルをクルマに積んでいたので、すぐに後輩1号嬢に連絡を取ろうとするも、あ、ケータイ持ってきてなかった…。
 幸い、カヌマス会長が持参してきてくれてました。彼のケータイで連絡を取ろうとするも、あ、番号載ってないじゃん…。
 その他の後輩に色々聞いて回って、ようやく連絡を取ることに成功。後輩1号も後輩1号で、知らない番号からかかってきたものだから、気づいてて出なかったりしたもので、過程はなかなか大変でした。
 結局、ここで50分ほどロス。ちなみに100mほどしか漕いでません。
 川下り時、ケータイ電話は必ず携行しましょう。

 再スタートしてまもなく不動橋。ここから瀬が連続。早くも前半の核心部分です。なんか波がやたらデカイ。去年下ったときは、どちらかといえば岩だらけのクリークちっくなイメージで、右へ左へ岩を避けまくって下った記憶がありましたが、今日の益田川は増水した長良川ばりの迫力で、流れが岩を乗り越えたあとにできているストッパーが超強烈。右へ左へ波を避けまくって下ります。避けきれない波は、正面突破。そんな箇所では前を行くキングピンが一時停止し、消えたと思ったら沈してたというシーンがいくつか見られました。どうもあのフネで下るにはムリなような気がしますが、何とか下っているカヌマス会長は何気にすごいです。

 中間地点の釣鐘が近付くと、ようやく小康状態に。ちなみに前回はここで上がったので、ここから先は未知の世界。すでに肩で息してます。
 体力持つかなあと不安でしたが、途中で迷路みたいなコースで最初に2m弱の落ち込みがある瀬があって、下見して下りましたが、それを除けば意外と瀞場続きで安心。
 このまま、いけるか?と思ったところで、Tetsuさんが沈。高山本線が中山トンネルに入っている箇所ですね。岩に張り付き、うまく落ちたかな、と思った矢先の出来事でした。
 これが始まり。ここからが第二の核心部になってました。
 鉄橋が見えてくるあたりから瀬が連続。
 最初にとんでもないデカさのウェーブ。勢いで越える。
 続いてもう一発ストッパー。ウェーブの裏に隠れて見えなかったのですが、よくあるパターンなので用心していた結果、無事通過。
 終わりか?と思ったら、今度はホール! げっとなりましたが油断はしていなかったので、これは回避。ホールの横を通り過ぎるとき、前にいたはずのキングピンが沈したままサイドサーフィンしていました。
 二本目の鉄橋を越えた直後には、長良川もびっくり特大のどっかんウェーブ。もう、すごすぎです。お腹いっぱいです。

 へろへろになってゴールしたあとは、中間地点の釣鐘でメシ食って解散。帰りは日本ライン沿いで渋滞に巻き込まれ、枚方までの所用時間は4時間強でした。遠いけど、すっごい気に入りました。今後はナガラに次ぐベースとして通いたいので、いろいろ裏道を開拓しなければ…。


スタート地点の帯雲橋付近。景勝・中山七里の起点らしいです。

竹原川出合いの直前。パドルが突然死するのはまさにこの直後。

パドルが折れる。なぜ? ショックを隠せない様子。

幸運にも再スタートできた。まもなく核心部。ここから先はTstsuさん、写真を撮る余裕がなかったらしい。

分岐が多く、かつ落差が大きく先が見えなかったので下見した瀬。

ドライブイン飛騨川の少し手前にあります。

落ち込みをクリアしたあとのコース取りがポイント。

カイチョーは下り沈。今日はこの光景が多かった。
2005年4月9日(土)
17 ロシアンルーレット(根尾東谷川1)

水位:−0.71m(板所) 気温:23℃(樽見) 天気:快晴
区間:初鹿谷〜板屋
メンバー:KYOKOさん、Mさん、Nさん、Tetsuさん

 今日は久々にKYOKOさんとのダウンリバー。去年12月の伊賀川(81回目)以来です。Mさん、NさんはKYOKOさんの友人で、Mさんとは初めましてですが、Nさんとは昨年8月の蓮川(56回目)で一度行動を共にしたことがあります。三人とも、「小歩危を険悪にしたような」飛騨宮川とか、聞いたことないクリークをばんばん下ってる方々です。
 私の川辞書では、最高の激流とは小歩危です。それより険悪って、どんなやねん、と。また、これも見たことはないのですが、「赤目四十八滝」も下った(落ちた?)ことがあるらしいです。Tetsuさんは観光で訪れたことがあるらしく、あれを下るなんてッ と非常に驚かれていました。川の世界には知らないことがまだまだたくさんありますね…。

 4月も上旬を終えようとしており、春も全開。近くではかの有名な薄墨桜が咲き誇っているようですが、下る川はそこから少し東に移動した根尾東谷川。スギとヒノキに覆われた小さな谷川です。ここは去年の5月(27回目)、KROさんに連れて行ってもらったところです。初めて下ったということもあり、かなり怖い思いをしてますが、KYOKOさんのご要望で、不肖ながら私がガイドすることになったというわけです。

 水量は去年下ったときとほぼ同じ。少しだけ濁ったビー玉の輝きを放っているのも去年と同じ。通常よりやや増水した状態です。遥か彼方に見える山々はまだ雪を被っていて、雪解け水かと思うも、流れる水は案外温かい。
 この川は延々と流れていて、瀞場が存在しません。そういう意味ではリスクの大きい川ではあるのですが、漕がなくても進むので楽チンな川でもあります。先週の津保川で大変な思いをしたTetsuさんには超好みの川なようで。

 左岸沿いに走る道路が松田トンネルに入り、川は道路から離れると、核心部の滝が近くにあるという目印。悪田谷の流れ込みを過ぎて次、左に折れるカーブ手前のプールでいったん上陸してスカウティング。
 100mほど川沿いに歩くと、一気に川幅が狭まりゴルジュ状になっていて、流れが二手に分かれている箇所に出ました。右岸側が3m弱の滝。垂直に落ちた後、左に直角に曲がって狭いコースを流れています。この区間、完全にホワイトウォーターで、全然浮かなさそう。一方で左岸側はゆっくり右にカーブを描きつつ、スライダー状で流れています。

 Mさんは、なんと滝コースを選択。
 ただ、失敗が前提なので、ロープレスキュー体制を確保してからのチャレンジとなります。
 トライした結果は、やっぱり、失敗でした。滝落ちした後、左に曲がれずに、右側のエディーにハマってしまいました。流れ落ちる滝がジャマして、下流に渡れません。
 流れの強さもありますが、フネが通るには何たって川幅が狭すぎます。バウもスターンも岩壁にがりがり当たって、ロールもままならない様子。
 しばらく様子を窺ってましたが、ロープの指示があったのでスロー。KYOKOさんも所持していたロープを投げたので2本になってしまいましたが、どちらか1本しまえと、さらには、ロープを引っ張る方向まで指示。体勢を維持するだけでも大変なのに、陸上メンバーに指示できる視野があるとは、大した落ち着きぶりです。いたく感心しました。自分なら、間違いなくソッコーで沈脱しているでしょうなあ。

 その後、Mさんはロープを使って滝を越え、下流側へ無事脱出。我々は全会一致で左岸側コースを下ることを選択し、各々のフネに戻ります。
 ところで、滝を見に行くまでに丸太が二本、コースを塞いでいました。二本目は水面から三尺くらいの位置にかかっており、身を屈めばギリギリくぐれるかなという感じですが、一本目は水没していてかなり危険。これは左岸からポテする必要がありそうです。滝のスカウティングついでに発見できたのはラッキーとしか言いようがないです。滝がなかったら、間違いなくそのまま突っ込んでいたでしょうから。
 ま、そのラッキーも結局意味がなかったのですが…。

 KYOKOさんは、中心部に唯一下れそうな水深のあるコースを見事に通過。Nさんは堅実にポーテージ。私は、左岸ベタに着岸してポテしようとフネを左岸に着けました。
 ところが。
 いったんは着岸したものの、予想以上に水勢が強く、丸太沿いにズルズルと川の中心部に引き込まれていきます。この丸太、真横に沈んでいるのではなく、左岸側を上部に斜めに沈んでいるので、つまり流れに委ねると、丸太沿いにどんどん右岸側へ進むということになります。キレイに右岸に辿り着くのならいいのですが、性質が悪いのは何箇所かから生えている枝。ここに引っかかると下手をすれば溺死です。
 ということで、必死に左岸に戻ろうとしましたが、時すでに遅し。時の流れに逆らうようなものです。丸太に半分乗り上げた状態で、漕ぐこともできずにバランス取るので精一杯。
 じりじりと後退し、川の中心部近くにまで流されたところで不意に深くなり、サイドを上流部の流れに食われてフネが大きく上流側に傾く。先にラナが落水。私はストラップで固めていたため脱出が遅れ、半ば投げ出されるように、丸太より上流側に頭から落ちてしまいました。
 ラナは?
 頭を水上に上げる間もなく、ヘルメットが水没した丸太に直撃。頭がつっかえているうちに、下半身が丸太の下に引きずり込まれる。
 「ストレーナーは上から乗り越えること
 鉄則です。これ。カヌーを始めて以来、ずっと遵守し続けてきたことを、今日、初めて破ってしまいました。あの体勢になってしまったら、もう人間の力ではどうすることもできないですね。あとは、その区間に何もないことを祈るのみ。
 一か八か。
 図らずも、ロシアンルーレットに挑まされたような感じです。

 ほんの一瞬で丸太の下流側へ移動。
 水面から顔を出すと、少し下流でラナが泳いでいるのが見えました。ほっと胸をなでおろし、このまま滝まで流されてはかなわんと二人とも急いで上陸。次に、丸太に引っかかったままのリンクスを回収。パドルは、丸太の下に引き込まれた時点で手放してしまっていたのですが、下流で待機していてくれたKYOKOさんが回収してくれました。
 ちなみに、一部始終を目撃していたTetsuさんによると、ラナは丸太の上を通過していたようです。

 滝のある瀬は、全員無事に左コースから降下。
 そこから下流はとくに大きな瀬はないのですが、最後のほうの瀬でTetsuさんがなぜか沈してました。ご愛嬌ですな。
 ゴールまでの所要時間は約2時間でした。例の滝での一連の事件で1時間ほど取られていたので、10kmほどの距離を約1時間で漕いでいたことになります。恐るべし流速の強さですね…。
 KYOKOさん、Mさん、Nさんは、漕ぎ足りないといって、そのまま根尾西谷川へ。我々、とくに私は丸太事件で疲れ切っていたのでリタイアして、川原で昼食後、昼寝。
 その後、再び合流し、谷汲温泉、夕食を共にしたところで、諸般の事情で再び別行動を取ることになりました。KYOKOさん一行は揖斐川支流の小津川へ、我々はカヌマス会長の待つ飛騨川へ。


スタート地点の川原。初鹿谷から数百m上流部にあります。

天気は快晴。水もキレイで気持ちがいい。

これくらいの瀬がいっぱいあります。

この川の核心部を下見。

滝の流れ的に、下流側(向かって右)には落ちられないんですよね。

やっぱり引っかかってしまうが、この体勢を維持しながら陸上組に指示を出すところがすごかった。

ロープで引っ張って下流側に脱出。

KYOKOさんの下ってるあたりに丸太が沈み込んでます。沈して私がくぐる羽目になったのもこのあたり。

滝の左側コース。スライダー状とはいえ、結構激しい。

滝のあとはまた穏やかに。穏やかといっても流速はかなりありますが。

ラナが無事で本当に良かった。今回は反省しきり。
2005年4月3日(日)
16 長良川の支流を漕ぐ(津保川1)

水位:1.48m(関) 気温:17℃(美濃) 天気:曇り
区間:道の駅平成〜大山橋 メンバー:Tetsuさん カイチョー 花鳥

 上之保村放生峠付近を水源とし、武儀町、富加町を南進し、関市に入って西へ向きを変え、長良川左岸に注ぐ津保川。ちなみに、放生峠を越えると、飛騨川の支流・馬瀬川の源流域に出ます。
 こんなマイナーな川、去年までまったく知らなかったのですが、KROさんのホームページに下った記録が残っていて、それを読んで以来、いつか下りたいなあと思っていたのですが、ようやく実現する機会を得たのでした。

 そんなに激しい川ではないとのことで、昨晩合流した手負いのカイチョーとブランクの長い王子(花鳥)にはうってつけ。昨日のような大人数での川下りとなる予定でしたが、案内人のKROさんは下らず。やっぱり肩の具合がよくないらしいです。結局、スタート地点の道の駅平成まで案内し、下るみんなを見送った後、先に帰途につかれたのでした。昨日、せっかく復活を果たせたと思ったのに、残念です。
 自分がそんな立場に置かれたらどう思うでしょう。きっと、やりきれない気持ちでいっぱいになるんでしょうね。早く治って、一緒に下れるようになるといいのですが。

 さて、長良川の支流といえば、吉田川、板取川のように山間を流れる清流というイメージがあるのですが、ここ津保川は里川という印象。川の周りは田んぼやら竹やぶになっている箇所が非常に多いです。 
 水の色は黒っぽく、透明度はまあまあといった感じですが、心なしかゴミが多い。里川であることが関係しているのでしょうか。
 スタート地点からしばらくは、川幅いっぱいに広がって浅く、一瞬、武儀川でやたら歩かされたイヤな思い出が脳裏をかすめました。で、やっぱりいきなりライニングダウンさせられる羽目に。大丈夫か?この川…、と不安でしたが、上野橋を過ぎ、道路から離れると、川幅が狭くなり、岩がちな川相に変化したので一安心。
 快適な瀬を二つばかし過ぎると、先の水面がやたら低い位置にあり、えらい落差があるなあと、警戒してエディーを取りながらゆっくり近付くと、果たして、ごっつい落ち込み。
 落差はそれほどではないのですが、コースがいやらしい。ストンと落ちたところに岩がコースを塞ぎ、90度左に向きを変えて流れているのですが、またその先に隠れ岩がコースを塞いでいるという、なかなかテクニカルな瀬なのです。そんなキツい瀬があるような雰囲気、今まで全然なかったんですけどねえ。いい意味で予想を裏切られました。
 いったん上陸して、入念にコースを観察した上でトライ。隠れ岩にいったん乗り上げるも、右に抜けて無事クリア。下る前のドキドキ感と、下り終えた後の爽快感。初めての川は、この感覚がとくに楽しめるのがいいですね。
 他のメンバーも、全員無事に通過でした。一人くらいひっくり返っても良かったのですが、残念…。

 ここからしばらくは流れ込みが泥水のため、だんだん濁りが目立ち、神野地区にある堰堤でピークを迎えるのですが、そこから先はキレイな流れ込みで少しずつ稀釈され、右岸が竹やぶ、左岸が杉の緑のトンネルをくぐり終えた頃には、透明度が上がり、水量も増え、どことなく奈良吉野ふうな川相になっていました。変化の大きい、色んな顔を併せ持つ川ですね。
 最近開通したばかりの東海環状をくぐるあたりは、川が大きく弧を描いて道路から離れるのですが、このあたりは瀬が少なく、ちょっとしんどい。最後尾だったTetsuさんが、完全に見えなくなってしまいました。

 ゴールまでの所要時間は約3時間。半日で下るコースとしては、ちょっと長かったですが、今日もとっても楽しい川下りができました。案内してくれたKROさんに、感謝、感謝です。


最初らへんは武儀川ちっく。水量少なく全体的に浅い。

やがて川幅が狭くなり岩がらみの瀬が現れる。ドキドキ。

この川一番の瀬。王子が命名して曰く、「EDの瀬」。と
理由は本人に聞いてください。ここだけ吉田川ちっく。

無難に下るカイチョー。ちなみに手負いとなったのは前日出場した野球の大会でハッスルしすぎたため。

道路から離れるととても静か。水量が増加して、下りやすくなったが、この辺りからTetsuさんの姿が見えなくなる。

後半はナラヨシちっく。写真の人工物は愛・地球博と同時期に開通した東海環状。
2005年4月2日(土)
15 復活祭(板取川1)

水位:-0.83m(下洞戸) 気温:15℃(美濃) 天気:曇り
区間:乙狩堰堤〜美濃橋
メンバー:Tetsuさん TAKEさん KROさん シミズさん

 いよいよ春も全開で、日中は暖かい日が増えてきましたね。
 今日は久しぶりにKROさんと川へ。去年の蓮川(72回目)以来ですので、5ヶ月ぶりとなります。シミズさん、TAKEさんともこれまた久しぶりで、去年の天竜川(42回目)以来。こちらは8ヶ月ぶりです。TAKEさんのカヌー犬、JETは今回は残念ながらお休み。どうやら、寒いの苦手らしいです。お腹が冷えて、下痢するみたい。そういえば、ウチのラナはそういうのとは無縁ですね。ラブのほうが寒さには弱いんでしょうか? それとも、ラナが単に頑丈なだけ?
 KROさんは復活といえど、昨年壊した肩がまだ万全ではなく、あまり激しいところはNGだったので、長良川の支流である板取川を下ることになりました。

 下洞戸観測所の水位で平水時より+15cmと、やや増水していたのですが、川の色はコバルトブルーでどこまでも透き通っています。やっぱりキレイな川ですねえ。先週の伊賀川も良かったのですが、キレイな川だと濡れることに全然抵抗を感じないし、爽快さが違います。
 ちなみに先週以来、表面が気持ちヌルヌルしていたリンクスも、清流に洗われてキレイになりました。

 板取川の瀬は2級どまりですが、全体的に流れが強く、本流に入ってから美濃橋までの10kmほどの行程を、なんと2時間ほどで漕いでしまいました。ちなみに、板取のような支流を漕いでいると、長良本流の大きさがよく分かりますね。普段は何気なく漕いでいて分からないのですが、出合いの瞬間など、怖いくらいに大きさを感じます。
 また、KROさんと下るときはたいてい雨で、実際天気予報でも雨となっていて覚悟はしていたのですが、降らずに持ちこたえてくれました。ラッキー。今年はずっとこんな調子だといいんですが。

 回送、夕食の買出しなどの作業が間に入ったため、昼食を取ったのは17時ごろと随分遅めとなりましたが、そのまま飲んでいるうちに夕食にシフト。これまでにシミズさん、TAKEさんは日帰りの予定だったので帰ってしまっていましたが、21時ごろになって明日一緒に下る予定のカイチョー、花鳥が合流。花鳥はいつ以来ですかね。天竜以来だと8ヶ月ぶりです。
 外では雨が降ってきましたが、KROさん持参の巨大タープのおかげで完全にシャットアウト。まるで自宅部屋にいるような気分でくつろいだ状態で、炭火焼きで野菜、ダッチオーブンで豚肉をデミグラスで和えて食しました。
 男ばかりの他愛のない話題でひとしきり盛り上がり、結局、寝たのは日付が変わってからという長い長い宴会でした。私は途中でK.O.。


今日のような水位だとこの写真くらいのクラスの瀬が断続的に現れる。水質は最高レベルだし、爽快の一言。

長瀬の堰堤。ここは左岸側からポーテージ。

ゴール地点に設定した美濃橋下の川原。ここも昨年の台風の影響で地形が変わり、砂っぽくなったので、テン場としてはイマイチとなった。

久々登場のカリスマ花鳥。無理やり起こされ、迷惑そうなラナに注目。
2005年3月27日(日)
14 三重県の川めぐり(伊賀川1)

水位:0.52m(島ヶ原) 気温:17℃(上野) 天気:曇り
区間:岩倉〜月ヶ瀬口 メンバー:カイチョー、Tetsuさん、後輩1号

 先週は三日間で3本の川を訪れましたが、今日はたった一日で3本、しかも三重県の川ばかりを訪れる機会を得ました。

 当初は宮川上流域を下る予定でした。土曜の晩に大阪を発ちましたが、目的地の宮川村に到着したのは真夜中。
 真夜中といっても満月なので明るい。道路沿いでは、各地で土砂崩れを起こしており、あちこちで通行止め。迂回路の指示通り、橋を渡って、右岸と左岸を行ったり来たりしながら上流域へ。通行可能な道でも、各地でガードレールが無惨に歪み、崩れた路肩の周りに立てられた赤いポールが、闇の中、静かに点滅しています。

 去年の台風の爪痕が、あまりに生々しく残っているのです。
 これはとてもやないけど川下りできるような状況じゃあないな…。
 何だか、暗く、塞いだ気分になってしまいました。

 夜明け。
 からすき谷公園から、下流に向けてにクルマを走らせ、水量と川の障害物を確認することにしました。
 惨状は、何も変わっていなかったのですが、不思議と、昨晩のような悲壮感が感じられませんでした。同じ眺めでも、明るく、暖かいと受け取る印象はまるで異なるんですね。
 宮川の水は、とても美しかったのですが、幸か不幸か、下れるような量はありませんでした。

 そうこうするうちに、Tetsuさんとカイチョーが到着。一緒に来た後輩1号さんも交えて、4人で協議しました。私個人としては、宮川下流域を下りたかったのですが、カイチョーが強硬に反対を表明。どうも先週の豊川での瀞場がかなり堪えたようです。
 結局、北上して櫛田川か、さらに北上して伊賀川を下ろうかということでまとまりました。

 櫛田には40分ほどで到着。森公園から名物の滝を見学し、そこで再度協議した結果、伊賀川へ向こうことにしました。気分だけでも上流域の川を味わいたかったので。あと、ついでに言えば、私の家に近くなるから、というのもあります。
 花粉症に苦しむ後輩1号のためにドラッグストアに寄ったり、遠い遠いと文句ばかり言うカイチョーをなだめすかしたりして、12:20頃にしてようやく目的地の岩倉峡公園に到着。ちなみに、昨晩からの走行距離は300kmを越えてしまいました。
 ゴールの月ヶ瀬口への回送やポンプアップなどの準備を経て、下り始めたのは14:00.こんなこともあろうかと、集合を早めにしといてよかったです。

 伊賀川とは、木津川の上流部のことです。宮川と同じ三重県の川とは思えないほど、汚く、臭い。なぜかははっきりとは分かりませんが、とにかく汚い。私がこれまで下った川の中で、瀬田川、保津川と並ぶ、もしくはワースト1かもしれません。カイチョーも、顔を付けたくないからか、カートも何もせず、ぶつぶつ言っています。
 ただ、瀬は本当に面白い。休む間もなく次から次に現れ、落ち込みもそれなりに大きく、コース上にも岩が点在していてかなりテクニカル。こういう川相は私、大好きです。

 この川は去年の12月に初めて下ったのですが(前回のレポート)、西出川と三軒家川との間の峡谷区間にある瀬で岩に張り付いてしまい、泳がされたことがあります。あの時は大きく二手に分かれたコースを左にいって失敗したので、今度は慎重に左コースから進入してクリア。あとのメンバーも何だかんだでそつなく下ってきました。
 これでリベンジも果たせたな、と一安心したところですぐまた落ち込み。ホント、息つくヒマがないです。
 後続を確かめると、カイチョーが沈。すぐロールするだろうと思ってたら、何やら様子がおかしい。というのも、フネが流されずに止まっているんですね。心なしか、腹を見せたフネが通常より高く、まさに空中に浮かんばかりに上がってますし。
 何かマヌケな絵だったので笑ってしまいましたが、水面下では頭が底の岩にぶつかり、また水深が浅いものだからうまくロールもできず、実はかなり大変だったみたいです。これは絶対沈脱する!と確信していたのですが、落ち着いた動作で見事にリカバリー。吉田川の時にも思いましたが、カイチョー、ダウンリバーかなりうまくなってますね。
 Tetsuさんも今やまったく心配いらないくらいにうまく岩を避けて下ってますし、後輩1号さんも別名ラップ女王の名にふさわしいくらいによくスタックするのですが、それでも沈は一度もなし。皆さん短期間ですごい成長しているなあと感じました。

 島ヶ原の集落を抜けてしばらく漕ぐと、名物の滝。カイチョーを焚きつけましたが、やっぱり下らず。4人で協議して、自分ならどのコースを通るかなんて話をしましたが、みんな取るコースがバラバラ。で、どれもイマイチ説得力がない。これだけコースが塞がっている瀬って、そう見たことないですね。これを下る人ってどこをどう通るんでしょうね?

 ゴールの月ヶ瀬口に到着したのは17:00.最初は皆さん、臭いだの汚いだの言ってましたが、だんだん鼻がマヒしてきたせいか、それとも瀬を越えるのに必死だったからか、途中からはあまり感じなくなったようです。
 結局、朝8:00に集合したのに、下り終わったのは17:00という大変要領の悪い日となってしまいましたが、全員無事に済んだし、楽しかったし、まあ良しとしましょう。


宮川の核心部、ウォータースライダーの瀬。でもスライダー部分は残念ながら干上がっていた。

水量が少なく下れなかったが、透明度は抜群。いつかきっと下りたい。

蓮川との出合い付近にある櫛田川の滝。カイチョーに勧めるも、丁重に断られる。

伊賀川は残念ながら水が汚い。ラナが一気に臭くなってしまう。

峡谷で岩が多く、ぷちクリークな気分を味わえる。写真は前回左岸コースを取りラップ&泳いだ瀬。

沈する直前のカイチョー。しばらくひっくり返ったままで、絶対沈脱する!と確信していたのに、見事にリカバリー。

浅いし、岩も多いので、コースを間違えるとこういうことがしばしば。

う〜ん。どこを通ろうとしても岩にぶつかるねんなあ…。よく見ると水中にたくさん隠れ岩があってかなり危険。
2005年3月21日(月)
13 愛・地球博の川(豊川1)

水位:-0.25m(石田) 気温:17℃(新城) 天気:快晴
区間:滝神社〜桜淵公園
メンバー:カイチョー、Tetsuさん、ジャンコさん、後輩1号

 【豊川】
 豊川はその源を愛知県北設楽郡設楽町の段戸山(標高1,152m)に発し、山間渓谷を流れ、宇連川と合流し、豊橋平野に出て、豊川市で豊川放水路を分派し、豊橋市内を流れ、三河湾に注いでいる流域面積724ku、幹川流路延長77kmの河川です。
 正式には「とよがわ」と読みます。また、宇連川と合流するまでの区間は地元では寒狭川(かんさがわ)と呼ばれています。


 三連休ラストの川となる豊川は愛知県の川ですが、愛知の川を下るのは実は初めてだったりします。愛知といえば「愛・地球博」でやたら注目されてますが、カヌーの面からではぱっとしないので、これまで訪れることがなかったのです。
 はっきり言えばあまり期待していなかったのですが、スタート地点の滝神社から川に下りてみてびっくり。いい意味で裏切られたというか、メチャメチャ水がキレイなんですね。

 しょっぱなにいきなり神社下ホールというキレイな形をしたスポットがあるのですが、これがまた水がキレイなので気持ちいいのですよ。カイチョー、ジャンコさんと交代で遊びました。ジャンコさんはカイチョーの所属するNKC(長良川カヤッククラブ)のメンバーで、今回初めてご一緒したんですが、勇猛果敢というか怖いもの知らずというか、攻めて攻めて、沈→ホールの右岸側にあるタコツボエディーに巻かれて、ロールできなくなり、脱、してました。ジャンコという愛称で呼ばれる理由に、納得。

 その後もずっと峡谷区間になっているのですが、川幅がそこそこ広く、適度な間隔で2級程度の瀬が断続的に現れるといった川相でした。以前、どこかで保津川に似ているという話を聞きましたが、個人的には櫛田川に近いかなという印象を持ちました。水の色が似ているんですね。、岩質が黄色っぽいため、浅瀬は黄色。ちなみに川床にはドロが溜まっておらず、とてもキレイです。深みは、エメラルドグリーン。

 コースの半ば、水道橋が見えてきました。これまでの爽快な流れとはうって変わって、ここからゴールまでは悉く瀞場です。橋の手前で上がることもできたらしいのですが、少しでも長く楽しみたかったので、あえて瀞場を漕ぐコースを選んだんですが、これがなかなか大変でした。本当に同じ川?ってくらい、瀬と流れがなくなるんですね。
 ここは後続が完全に見えなくなるくらい、レースモードでぶっ飛ばして下りました。5月の半ばにラフティングの世界大会の予選が安曇野は前川で開かれるらしいのですが、どうもダッキーでも出場できるらしいです。また、その半月後には、群馬は水上にて「リバベン」があります。この大会は、ラフティングの全国大会に相当するんですが、ここでも2メン部門という形でダッキーが出場可能なんですね。昨年の長良川WWFで味をしめた私とカイチョーでこれに出てみようと。まあ、天狗になった鼻がへし折られるのが関の山でしょうけど、全国大会レベルのチームってどんな漕ぎすんのかなあと、見学させてもらうことができるというだけでも、充分出る価値はあるかなと思ってます。楽しみです。


スタートは滝神社から。ちなみに長篠より上流は寒狭(かんさ)川と呼ばれてます。

しょっぱなの神社下ホール! 水がキレイなので快適。

神社下ホールのタコツボエディーに巻かれて脱したジャンコさん。一緒に下って、ジャンコというあだ名に誰もが納得。

川の透明度は櫛田川並。鯉、ニゴイの魚影が濃く、日光浴するカメもたくさんいた。生き物の臭いが濃い。


ゴールの桜淵公園。ここで三重の「ダウンレバークラブ」の方々に出会いました。世の中、狭いっす。
2005年3月20日(日)
12 ダッチオーブン初体験(長良川2)

水位:0.57m(稲成) 気温:10℃(美濃) 天気:曇り
区間:大矢〜洲原 メンバー:カイチョー、Tetsuさん

 今日はもともとは飛騨川・中山七里を下る予定でしたが、全会一致で長良川に決定。理由は、昨日のダウンリバーにあります。端的に言えば、瀬の食べすぎです。ホワイトウォーターに対する欲求メーター、なんてのがあったら、三人とも、針が振り切れていた状態でした。
 瀬が多くない川に行きたい、って言っておきながら増水した長良川を選ぶってのもどうかとは思いますが、漕ぎ慣れてるのでコース選択が楽チンですし、何といっても瀬の終わりには必ず瀞場が控えていますから、安心なんですね。

 本日のコースは、大矢駅(三叉の瀬付近)から洲原神社までの約7km区間。このコース、実は5年ほど前にラフトで一度下ったことがあるだけで、八幡〜関観光ホテルという長良川の一般的なホワイトウォーター区間において、ここが最もグレーゾーンとなっていました。というのは、ベンツの瀬という瀬の手前に取水口があって、そこから下流は著しく減水し、平水時は下れず(過去がこの状態でかなり苦労しました)、また、増水したらしたでベンツの瀬が長良川最凶の瀬と化すので下れないなど、下れるかどうかの見極めが難しいからです。

 今日の水位(稲成:0.57m)であれば、まあちょうど良かろうと判断して決行しましたが、約7kmもあるのに、たったの90分で終わってしまいました。昨日が5時間という超ロングコースだったこともあって、拍子抜け。カイチョーなんてまだ下れるなんてのたまってたほどです。
 とはいえ、強烈な瀬もあって、とても「流し」て下れるような川ではないなと実感。とくに印象に残ったのは、コンノやなの瀬とベンツの瀬。昨日の吉田川とはまたタイプが違うのですが、とにかくパワーがあります。
 何はともあれ、この川はどのコース下っても面白い。素晴らしい川だということを再認識しました。

 夜は美濃橋でキャンプ。ここで後輩1号さんが合流。なぜかスーツ姿で。彼女、現在就職活動中らしく、企業のセミナー受けてそのまま電車を乗り継いでやってきたらしいです。
 今夜のメニューはダッチオーブン料理。Tetsuさん持参の丸ごとチキンにニンニク、タマネギをぶち込んで、底からだけでなく、蓋にも木炭を置いて熱するというもの。Tetsuさんは手馴れたもので、さくさくと進めていきますが、慣れない私にできることといえば、炭を熾すことくらい。
 ダッチオーブン、実は生まれて初めて見るものだったりします。個人的には、あまり凝った料理はしないんですね。とくに一人旅の場合、ダウンリバーと回送とクルマでの移動に疲れきっていて、晩は冷凍モノやレトルトなど手間のかからないもので済ませ、20時ごろには寝るというのが一般的だったりします。また、登山がメインの探検部出身だということもあって、装備は至ってシンプルなものばかり。イスやテーブルなんてもちろん持ってません。木炭なんて、場所とってジャマとしか思ってませんから。
 それだけに、今回のような料理はとても新鮮でした。これとスモークも焚いてスモークチーズも作ったのですが、これまた最高に美味しかったです。
 やがて、少し雨が降ってきたのですが、タープを立てて宴会続行。これもTetsuさんの装備。色んなモノ持ってますなあ。

 昨晩に続き、この日の冷え込みも結構きつくて、美濃の最低気温は1℃(昨日は0℃)。食って飲んでるときはいいのですが、シュラフに入ってからがきつい。防寒に一応、シュラフカバーまで付けているのですが、まったく効果なし。寒さで何回も目が覚めました。まだキャンプには少し早いですかねえ。
 ちなみにカイチョーはマイカー・X-TRAILに自宅から持ってきた布団を敷いて快適に寝てました。同じ探検部出身とは思えませんな。


出発は大矢駅から。場所は三叉(ザンゲ)の瀬の直下。

迷路の瀬のラスト。二回目で、しかも数年ぶりでほとんど記憶になかったコースだったが、昨日に比べれば余裕。

スーツで川原に登場した後輩1号嬢。現在、勝ち組企業へ就職活動中らしい。

Tetsuさん持参のダッチオーブン! こんなの生まれて初めてで、感激。

旨すぎる。4人で2羽をあっという間に平らげてしまった。

ダメ兄弟と噂された二人。完全に負け組扱いなのであった。
2005年3月19日(土)
11 (吉田川1)

水位:0.68m(旭) 気温:10℃(八幡) 天気:快晴
区間:明宝大橋〜長良出合 メンバー:カイチョー、Tetsuさん

 約一年ぶりに吉田川へ。
 上流域の川相を持つ、つまり瀞場がなく瀬だらけという難易度高めの川です。昨年、初めて下ったのですが、単独行で、しかも雨天(去年のツアレポはこちら)。まさに気分は「冒険」でしたが、長良川本流との出合いに達したときのあの感動が忘れられず、いつかもう一度、と思っていましたが、今日にしてようやくその機会が巡ってきたのでした。

 なかなか下る機会に恵まれなかったのは、以下の理由によります。

 @難易度が高いので、パドリングスキルの高い人間の同行が必要。
 A通常水位では下れない。ある程度増水したときのみ漕行可。
  とはいえ、増水しすぎても危なすぎて下れない。どこまでの増水
  なら下れるのか、見極めが難しい。
 B釣りのメッカ。3月からアマゴ、6月から9月末まではアユ、とシーズン
  を通して釣り師が常に川におり、トラブルになりやすい。

 
この三つの条件を同時にクリアするのは相当至難のワザです。したがって、私にとって吉田川とはほとんど「幻の川」なのですが、今回はNKCのカイチョーがぜひ下りたいと表明してきたので@がクリアされ、また、木曜日にまとまった雨が降ったおかげで、ちょうどいい具合(稲成:0.65m)に増水しており、なんとAまでがクリアされました。
 しかも、快晴。今日は、怖いくらいにツイています。

 残るはBの釣り師の存在。
 実際に現地を確認し、もし釣り師がたくさんいたら本流に変更するつもりで、川沿いにクルマを走らせ、去年下ったときに釣り師と出くわしたポイントを確認。
 果たして、見つけたのは、竿は持っていないがそれらしき格好をした人が一人だけでした。
 これなら、行けるんとちゃう…? 緊張?期待?不安?胸がドキドキしてきました。

 結局、決行。スタートは、寒水川との出合い付近にかかる明宝大橋に設定しました。去年のスタート地点よりさらに7kmほど上流になり、もちろん、初めて下る区間となります。
 ここに設定した理由は、ここから下流の有穂地区に「天竜峡」と呼ばれる峡谷があり、おそらくここが核心部になるだろうと考えたためです。ただ、情報は「核心部があるだろう」というだけで、実際の激しさとか、その区間における堰堤や滝やストレーナーの有無など、他に何も知らないままでのダウンリバーとなります。そういう意味では、条件は去年と同じなのですが、異なるのは天候が穏やかな晴天であることと、同行するメンバーが二人もいること。それだけで、気分が全然違います。

 漕ぎ始めたのは、12:30ごろ。橋の下には、釣り師が一人だけいましたが、影響のない場所だったので、順調にスタートを切ることができました。
 しょっぱなからテクニカルな長い瀬で、瀬の最後は左に曲がりつつ大きな落差があります。Tetsuさんが後ろ向きに落ちてましたが、このクラスなら何とか全員無事にいけるかな?

 水量は、去年下ったときより多いようで、コースさえしっかり取れれば底を擦らずに下れるので、ちょうどよい感じ。少し濁っているのが残念ですが、充分底が見える透明度。断続的に現れる程よいレベルの瀬を3つくらい越え、小久須見橋をくぐって10分ほど漕ぐと、不自然なホライズンラインが眼前に登場。その両岸付近にはコンクリの構造物。
 あ、堰堤だ。
 ピンときて、左岸にフネを寄せ、偵察。

 …声を呑んでしまいました。予想外の大きな落差で、10mくらいはありましたかね。堰堤直下から瀬になっていて、遠目から見ても結構激しそうです。
 魚道は左岸側に設けられていましたが、途中までハシゴで降りる構造になっており、これではラナが降りられないので、ここからのポーテージは断念。他のルートを探そうと、一旦岸に上陸しました。

 上陸すると、そこは(有)坪井石材さんの作業現場でした。近くに下りるところはないかと100mほど下流に歩いてみましたが、堰堤下からは峡谷となっており、川まで下りられそうな道がありません。
 仕方なく、フネをこの天竜砂防ダムに置いたまま、いったん川沿いの道(県道320号)まで上がり、道沿いに歩いて、下りられそうな場所を探すことにしました。
 最初に見つけた下りられそうな道には、川が臨める位置に小屋があり、そこから川を覗いてみれば、一気に川幅が狭まり、ゴルジュを滝のように流れ落ちるどえらい瀬が。どうもこのあたりが天竜峡の核心部分のようですね。
 この滝の瀬の下に下りられそうな場所はありましたが、フネ担いで下りるにはいささか難儀しそうなので、保留。他にフレンドリーな道はないかとさらに下流に向けて歩き続けました。

 結局、1kmほどは歩いたでしょうか。在原地区の天竜橋にようやくなだらかなスロープ状の川に下りられる道が見つかりました。協議の結果、ここから下ろそうということになり、再び天竜砂防ダムに戻り、今度はフネを担いで天竜橋へ。これがなかなかの重労働でしたが、三人とも弱音を吐くこともなく、無事天竜橋まで到着。

 ここで90分ほどロスしてしまい、再開したのは14:30。出発して既に2時間が経過しています。
 (作成中)


明宝大橋からスタートして直後の瀬。いきなり洗礼を浴びる。

スタートから20分ほどで天竜砂防ダムに到着。ありえない落差である。ラナを下ろせないので一旦路上へ。

フネを担いでポーテージ。1kmくらい歩いて、在原の天竜橋下から再開。ここで90分ほどロス。時刻14:30くらい。

ポーテージ場所を探しているときにこんな瀬も発見。瀬ていうか、滝だし。どうもこの辺一帯が核心部みたい。

再開してまもなく堰堤。右岸側からポテ。中央の滑り台状のコースから下れそうだったが、先を考え慎重に。

堰堤直下の瀬。上流から見ると滝のような落差で、水流が岩に当たり巨大な水柱が立っていた。ここでラナが…。

堰堤下からはひっきりなしに瀬が続くクリーク相に。立光橋下の落ち込み(写真)にてついに撃沈さる。

ようやく去年のスタート地点、市島の堰堤に到着。下り始めて既に3時間経過。まだ半分!?と疲労困憊の図。
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