ツーリングレポート(覚え書き)
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2004年8月14日(土)
50 やってられるか!【四国一人旅・四日目】(那賀川3)

水位:?m(多め) 気温:31℃ 天気:晴れ
区間:北川橋〜南川橋 メンバー:ソロ

 こんな川下り、生まれてこのかた、初めてです。まるで聖域を冒して報いを受ける探検家のような気分でした。
 とにかくすごかったんです。虫が。アブの襲撃が。
 一昨日、吉野川・大歩危を下った際にも、2、3匹まとわりついてきてかなりウザったかったんですが、今回のはケタが違う。おそらく、50はゆうに超しています。それがスキあらば血を吸わんと襲い掛かってくるものですから、たまりません。私などはパドルを振り回し続けて「結界」を作っているいるうちはまだそれほど寄って来ないのですが、ラナはといえば、可哀相に、まるで養蜂場の蜜蜂の巣状態です(途中から私の背後に回し、「結界」の中に入れてやると多少マシにはなりましたが)。
 漕ぐ手を休めようものなら、文字通り雲霞のごとく押し寄せてくるので、漕いでいなくても常に振り回し続けなければならず、気が狂いそうです。一度手を休め、パドルで作る結界の中に入られると、そいつらを潰して再度結界を作るまでの間にまた次のがどっと押し寄せるという負のスパイラルに陥るので、写真など撮ろうものなら、構えている合間にどっと群がられます。川下りにもまったく集中できません。
 「撤退」の二文字もかなり真剣に検討しましたが、顔まで刺されて、こりゃたまらんと音をあげて上陸し、殲滅活動に専心していると、数が減ってくるんですね。そうしたことを三度ほど繰り返すと、コースのほとんどが瀬で流速が非常に強いため、もう半ばを過ぎてしまっていたんで、討死に覚悟で強行突破することにしました。
 ゴールの南川橋に至るまでに約1.5h、おそらく生まれてこのかた殺した以上の数のアブを、この90分の間で屠ったと思います。しかし、これまで刺された回数を、この90分だけで上回ったと思います。もう、こりごりです。夏場には絶対行かねえ!と心に誓いました。
 ところで、今回の那賀川上流部、難所の続く核心部は実はこの南川橋から下の区間なんですね。朝、2時間かけて下見していたのですが、スタート地点の北川橋では青みがかったクリアな水も、途中で谷川の水を集めるうちにだんだん青白くなってきて、南川橋ではすでに白濁していました。始めは優しい流れだったのが、ここに至ると、目に見えて水量が増えており、なかなかのパワーウォーターとなっています。昨晩の夜空に輝くミルキーウェイを思い出しましたが、同じミルキーでも、こちらは「ハイウェイ」ですね。
 とくに注目したのは二つ。一つは、南川橋直下にある瀬。浅い箇所と岩が多く、落差もある上に波も強そうな瀬で、10回に3回は失敗しそうです。もう一つは、そこから1kmほど下流にあるところの滝のような落ち込み。これは、2回に1回はフリップしそうな感じ。かーなり長い間迷った挙句、止めようと決断した根拠は、もし失敗した場合のリカバリーがほぼ不可能に近いということでした。瀬に、終わりがないんですね。大歩危などは瀬はかなり激しいですが、終わりに瀞場があって、沈してもそこでリエントリーできるし、仮にフネやパドルを離しても、回収できるんですが、この川にはそれができる区間がないので、未経験、しかも単独で下るにはあまりにもリスクが高いと判断したわけです。ま、南川橋をゴールにして核心部を避けたことは、結果的には、そことは違うところで正解やったと思うのですけどね。アブと格闘しながら、あんな瀬下れませんよ。
 川下り後は、こんなところに長居は無用といわんばかりに再び四つ足峠を越え、西進。西側の麓にあるべふ峡温泉に立ち寄りました。湯に浸かると、刺された痕が再び痛痒くなって、それにあわせて怒りも蘇るのでした。本当は、スタートしてからどの谷川の水でどれくらい水量が増え、どれくらい濁って、ゴール地点で最終的にあのような川相に変化しているのか、その過程を見てみたかったんですけどね。

 ・走行距離(累積):1032km
 ・交通費(高速・ガソリン):\3,470
 ・食費(ラナ分含む):\2,800
 ・その他: \600
 

2004年8月13日(金)
49 本物よりも本物っぽい【四国一人旅・三日目】(仁淀川1)

水位:0.31m(越知) 気温:33℃ 天気:快晴
区間:宮ノ前公園〜鎌井田大橋 メンバー:ソロ

 曽我部トンネルを抜けると、眩しすぎるくらいの光が射し込んできました。視界に入ったのは、どぎついほどの、山の緑と空の青とのコントラスト。いよいよ、土佐の国です。
 今日は仁淀川です。四万十川よりキレイとよく比較の対象にされているので、知名度は高いほうですね。
 この川は過去2回下ったことがあります。しかし、その2回とも濁っていたので、正味の話、あまり水質には期待せず、どこかいい支流でもあればなあ、という気持ちでいました。去年の盆休みに仁淀川の上流域をクルマで通った際、池川川という支流が増水していて、これがまた、小歩危かそれ以上の超激流だったのを見てましたので。それを確かめてみようという気持ちのほうが実は高かったりして。
 伊野町に入り、いよいよ仁淀川と4年ぶりに再会。
 ごめんなさい、でした。
 謝るの、昨日の大歩危に続いて2回目です。メチャメチャキレイです。浅瀬は青みがかった色、深みは緑がかった色をして透き通っていました。
 その碧色の水と並んで、白い、小さな玉砂利が広大な川原を形成し、山間を縫うように走っています。空の青と山の緑、川原の白とこの碧水、それらのコントラストが私が四国の川に対して持っているイメージなのですが、まさにその通りでした。
 このイメージは、8年前に初めてツーリングした川である四万十川で実は培われたものなんですね。ですが、その後訪れた四万十川は悉く濁っていて、イメージだけが一人歩きしていたのですが、今日の仁淀川のほうが本物よりイメージにぴったりでした。
 それはともかくとして、下る区間を設定するため、下流から大渡ダムまで川沿いにマーチを走らせてみました。始めに出会うのが上八川川。これ、本流以上の絶品です。下れるだけの水量もあります。とりあえず置いといて次、例の池川川を見に行きました。これも水質は最高でしたが、下るにはちょっと水量が足りませんでした。去年見たのは、かなり増水していたときだったようです。あとは筏津ダムより上流部の本流も見てみました。面白そうですが、これもちょっと水量が足りない。
 結局、筏津ダムより下の、宮ノ前公園から鎌井田大橋までの約10kmをコースに設定しました。ここはショートカットのトンネルが走っているので、漕ぐ距離は10kmですが、回送が約4kmで済むからです。
 スタートは11:30ごろ。しょっぱなから釣り師は多いです。が、川幅が広いので、それほど気にはなりません。川舟が至るところに浮かんでいて、箱メガネを使って釣りをしている人がいましたが、そのあたり、いかにも四国らしいです。
 瀬は少ないですが、全体的に緩やかに流れ、完全な瀞場は少ないので、順調に進みます。やがて、大きな放水口(筏津ダムの発電放水?)に至り、そこから水量が増加して、だいぶ大河らしくなるのですが、やや濁りが増します。おそらく、上八川川などの流れ込みで希釈されていくんでしょうね。
 ゴールに着いたのは13:00ごろ。キャンプするには最高のロケーションなのですが、ビール飲んで昼寝したい気持ちをぐっとこらえ、次の目的地に向かうことにしました。
 伊野ICより高知道に乗り、南国ICで下り、物部川沿いに193号線を東進し、分水嶺である四足峠を越え、木頭村へ。明日は那賀川を下ろうかと考えてのことでした。
 着いたのは19時。暗くなるギリギリ一歩手前です。急いでテントを張り、夕食を作って食べていると、やがて満天の星空。
 星が瞬くのを眺めるなんて、いつ以来でしょう。一晩中、眺めていたいなあと思いながらも、肌寒いし、だいぶ疲れも溜まってたし、テントに入って寝ることにしました。

 ・走行距離(累積):815km
 ・交通費(高速・ガソリン):\3,700
 ・食費(ラナ分含む):\2,380
 ・その他: \420

2004年8月12日(木)
48 やったった!【四国一人旅・二日目】(吉野川・大歩危1)

水位:0.98m(大豊) 気温:31℃ 天気:快晴
区間:豊永〜堂床 メンバー:ソロ

 今日は四国三郎・吉野川へ。このうち小歩危と呼ばれる区間は言わずもがな、日本一の激流として知られていますが、今回下るのはその小歩危ではなく、その上流にある大歩危と呼ばれる区間です。ちなみに、パドラー間でいう大歩危とは、豊永から堂床(レストランまんなか)までの14kmを指します。
 この大歩危の前半部分、豊永から岩原の区間は、実は学生時代にラフティングガイドのバイトで幾度となく下ってます。しかし、今回は最後まで逡巡してました。まず一つは、去年ラフトで一回下ったきりで、ダッキーとなると3年ぶりでブランクが長いこと。もう一つは、増水していたこと。歩危(大豊)の水位は、ラフトガイド時代の遠い記憶では、平水で0.5mくらいやったような気がします。それが、昨日時点で1.08mありまして、長良川(稲成)でこの水位だったら、私なら下るの止めます。それに、1.1mを越えると、ビッグスマイルさんは小歩危のツアーを中止するらしいですし。
 というわけで、かーなり迷ってたのですが、朝起きて水位を見ると、0.8mまで下がっていました。これなら、何とかなるかも、と思う一方で、早明浦ダム放水量が最大55.8tとかなり多いのが気になりましたが、過去のパターンを考えても、それほど増えないだろうと判断し(発電放水で午後増水することはよくあったので)、そもそもラナを連れて大歩危を下るのはかねてからの目標でもあったので、決行と相成りました。
 国道32号線が西宇地区(小歩危の先頭らへん)の落石で通行止めとなっていたので、高知自動車道を使って迂回。これとチャリでの14km回送とで思ったより時間がかかり、出発は12:30までずれ込んでしまいました。ちなみに、スタート地点は南小川との出合いからなのですが、この南小川がまた抜群の水質なんです(10点満点!)。途中通った穴内川といい、去年訪れた汗見川、昨日の穴吹川といい、吉野川の支流をいろいろ下ってみるのも面白いかもしれません。本流も大歩危あたりまで下流になると随分キレイなのですが、今日はおそらく台風の影響でしょう、緑色に濁っていました。
 話を戻して。しょっぱなは豊永の瀬です。いきなり、ごめんなさいでした。昨日と同じノリで漕いでいたら、フネが全然コントロールできなくて、右に左に翻弄されまくり。今まで下ってきた川が色褪せて見えるほど、パワーが別格なんです。この川が横綱級であることを改めて思い知らされました。
 気を取り直して、再出発。少しずつ調子が出てきたところで、大歩危のハイライトの一つ、三段の瀬です。久々だったこともあって下見しました(川の上からは落差がありすぎて見えないのです)。いつも露出している中央の岩が完全に水被ってます。ここ下るのは論外と思いながら、その左隣の滑り台状になったコースを確認。滑り台の終わりに待ち構えているはずの大ストッパーがメチャメチャに潰れていたので、勢いつけて入れば何とか乗り越えられそうと判断。ここは真っ向勝負を挑むことにしました。全速漕ぎで突入すると、ストッパーの上を乗り越える形でスルリと突破、その後に控えるメチャメチャなホワイトウォーターも、勝手知ったるもので、難なく突破できました。
 しかし、これに気をよくして油断した罰なのか、次の難所・岩原の瀬では激沈してしまいました(今年2回目)。増水時は右岸側にホールが連続してできるから左岸側を通れば大丈夫だろうと高を括り、下見せずに突入したのですが、左岸側のコースに見事に大きなダウンストリームV状のストッパーができていたのですね。右岸側のホールを避け、フネを下流に対してまっすぐに向けた瞬間、左から横波を受け、抵抗する間もなく転覆してしまいました。
 沈したのはまだ瀬の最中です。ストッパーだらけな上に瀬全体が真っ白(=体が浮かない)なので、フネに掴まってないとマズイ、と思い、沈した瞬間手を伸ばす。うまくストラップを掴めたので体の確保はできました。あとはラナです。後ろでバチャバチャ泳いで追いかけてくるのが途切れ途切れ聞こえるので、これも問題なさそうです(必死やろうけど)。ようやく頭が浮き上がり、目まで水上に出た瞬間、眼前に真っ白な線が見えました。ストッパーです。ゲーー、と思いながら、もう一度水面下へ。
 このストッパーを越えると、だいぶ水勢が弱くなって、視界における白色の占める割合が減り、再び浮上しました。どうやら終わったようです。すぐさまリエントリー。ラナは案の定すぐ近くを泳いでいたので、難なく回収できました。意外と元気だったので何より。こんな激しい瀬を流されたのは生まれて初めてだったのに、よく心折れずにがんばりました。ゴメンね!
 岩原の瀬の下で若干の休憩後、再出発。次の難所は、国境の瀬。ここはちゃんと下見しました。コースは、左岸側から入って、二つ目の落ち込みを抜けてすぐ正面にラップしそうな岩があるので、それを右に回避し、川の中央(本流)に出るというように設定。ポイントは、二つ目の落ち込みを下る瞬間、いかに右側に抜けられるかというところになりそうです。
 出艇。ここで沈すると心折れそうなので真剣に漕ぎます。意外と落ち込み間の距離が近く、戸惑いながらも、二つ目の落ち込みをカットするように右側に着水。ラップ岩を左にかすめるようにして回避できました。そこから本流に乗り、ビッグウェーブを堪能。味わう余裕もなく、必死で漕いでただけですが。
 その後の瀬はそんな大したことないのばかりだったハズなんですが、増水によるパワーアップのせいで、一時も気が抜けませんでした。うまく核心部を微妙に避けながら下れたお蔭で、沈は何とか免れたものの、他の川なら最大の瀬と呼ばれるようなレベルのが結構ゴロゴロしてました。
 かつてのホームゲレンデだったとはいえ、長いブランク+単独+増水という条件があったお蔭で、怖さ満点の、そしてメチャメチャ疲れる川下りでした。でも、スゲー楽しかった!

 ・走行距離(累積):514km
 ・交通費(高速・ガソリン):\2,800
 ・食費(ラナ分含む):\1,790
 ・その他: \0

2004年8月11日(水)
47 四国一の清流…?【四国一人旅・一日目】(穴吹川1)

水位:0.65m(岩津) 気温:31℃ 天気:快晴
区間:白人橋〜天神橋 メンバー:ソロ

 いよいよ待ちに待った盆休みが始まりました。行き先は今年も四国。7日ある休みのうち6日を四国で過ごし、6本の川を下るのが目標です。候補は10本以上あるんですが、どれを下るかは、そのときの状況を見て決めます。
 で、未明出発の予定だったのですが、大いに寝坊してしまい、大阪の自宅を出たのは、太陽がすでに燦々と輝く8時。この時間だとやっぱり渋滞にハマってしまい、橋に着くまでになんと2時間半もかかり、結局現地に着いたのは13時。
 四国遠征第一弾は、四国一の清流(=全国有数の清流)と名高い穴吹川です。実際、四国地整局の水質調査で数年連続1位になっているようですね。3年前、初めて訪れたとき(漕ぎはしなかったのですが)、潜った際に小さなアマゴが泳ぐのが見えたのが忘れられず、前々から下ってみたいと考えていました。やっと念願叶ったというところです。
 しかし…、水の色は、灰色でした。完全に白濁していて、透明度は20cmくらい。どうやら、前回の台風の爪痕が依然残っていたようですね。
 でも、いいこともあります。普段は下れるか下れないかギリギリの水量らしいですが、今日はそんなことまったく気にならないですし、大量にいるらしい釣り師がゼロなので気兼ねすることがありません。私にとっては、最高の透明度を誇る清流だが水少なく釣り師だらけ、よりかは、白濁しているが、水量豊富で釣り師がいないほうがいいです。やっぱり、釣り師に気を遣わなくていいというのは大きいですよ。
 瀬は1.5級程度のものが断続的に続き、瀞場がゼロ(増水のせい?)だったので、とても快適でした。ちなみに、一番大きいので2級程度。今回のコースは白人の瀬から天神の瀬までの約5.5kmでしたが、およそ1h程度で終わってしまいました。
 あと、この川の特徴は、遊ぶ人間の数が非常に多いこと。増水・白濁だったにもかかわらず、家族連れやら小中学生で、ゴールまでに100人はいたのではないでしょうか。そんな中を犬連れで漕ぐのはかなり恥ずかしかったです。
 漕ぎ終わったあとは、上流部の剣峡へ下見に行きました。両岸が断崖絶壁になっていて、果たしてどんな瀬があるんだろう、と興味津々で恋人橋から覗き込んでみると…。
 トンデモネエトコロでした。
 ありゃあ、一人では危なすぎます。その後、ここ穴吹町と木屋平村との境まで遡って川を見ましたが、とくに割谷から首野上あたりがシャレにならんほどすごかったですね。
 ちなみに、恋人橋のある恋人峠には七夕伝説に因んだ「廉貞星宮殿」というのがあって、「楽鍵(ラッキー)」を掛ければ、二人の心にも永遠の橋が架かるとのこと。こんな山道に、バッカじゃねえの?と思ってたら結構その「楽鍵」が掛かっていたのにはびっくりしました。
 その後、山城町の賢見温泉へ。明日はあの四国三郎・吉野川(大歩危)にチャレンジです。一人だから危ないし、川の様子見てから下るかどうか判断しますけどね。

 ・走行距離(累積):345km
 ・交通費(高速・ガソリン):\12,400
 ・食費(ラナ分含む):\1,700
 ・その他: \3,100

2004年8月8日(日)
46 連チャン(奈良吉野川8)

水位:??(五條) 気温:32℃ 天気:晴れ時々雨
区間:梁瀬橋〜栄山寺 メンバー:後輩1号、会社のひと

 今日も奈良吉野。五條観測所は引き続きデータなしの状態で、川は茶色でしたが、水位は隅田で-0.64mまで下がっていました。換算すると、五條は大体2m弱くらいでしょうか。
 天理教ウェーブは今日も絶好調のようで、朝6時に目覚めたときはすでに行列ができていました。すごいですねー。
 さて、今日のメンバーは、会社のカヌー部連中が加わって、総勢4人での川下りとなりました。ゴールは栄山寺に設定。私はまたまたサファリでのツーリングです。
 昨日ほど恐怖感はありませんでしたが、後半はところどころヒヤリとするところがありました。特にテトラの瀬はコンクリブロックに本流が直撃していて、かなり危ない瀬となっていました。ここは右岸ベタベタで回避。
 その後も、私を含めて皆さん惜しいところは何箇所かあったのですが、残念ながら誰も沈することなくゴールに到着。まあ、沈したら笑えないのですがね。
 その後は珍しく炭焼いてバーベキューしましたが、前日に続いて夕立に見舞われ、そのまま撤収。茶色の濁流といい、連日のスコールといい、何か日本離れした環境下での週末でした。盆休みはずっと晴れてくれるといいんですけどね。

2004年8月7日(土)
45 今期最短(奈良吉野川7)

水位:??(五條) 気温:33℃ 天気:晴れ時々雨
区間:梁瀬橋〜天理教下 メンバー:後輩1号、Oちゃん

 この日は久々に奈良吉野川へ。ちなみに、先週に引き続き、午前中は歯医者行ってました。縫って塞いでいた箇所を抜糸し、ひとまずオヤシラズに関してはこれで終了です。あとは歯石取ってもらいましたが、これが案外侮れないほど痛く、歯茎を血まみれにしての参加です。
 メンバーは、先週に引き続き、後輩1号、Oちゃんの2名。午後3時からのスタートだったのでゴールは天理教集会所に。
 川は、台風10号、11号の連続来襲(5日11時時点で6.68mまで上昇!)のおかげで大増水しており、茶色に濁ってました。水位確認先の五條観測所がなぜか5日の20時を最後に欠測続きでデータが取れなくなっていたのですが、下流の隅田(すだ)が-0.51mを記録しており、これを過去のデータで比較させてみると、五條はだいたい2m強といったところでしょう。ちなみに、2mオーバー時は下ったことありません。
 芝崎の瀬を見ると、でかいウェーブがいろんな角度から複雑に立ってました。また、スタート地点の梁瀬橋上から下流を臨めば、普段瀞場の箇所もかつて下った水上峡ばりに瀞場は皆無で延々と流れていていたので、おそらくこの先も個々の瀬はつながって一つになり、瀞場はゼロでしょう。沈してフネと離されるとかなりマズイことになるので、いつも以上に慎重にならなければならないのですが、そうはいいながらも今回もサファリで出艇だったりして。
 チャリで回送後、いよいよ出発。第一の瀬からカルディアにかけて、ほぼ休むことなくナラヨシらしからぬ木曾川のようなハイウェーブが続きます。ちなみに、普段ならバーベキューで賑わうカルディア前の川原はほんの少し頭を出しているだけで、ほぼ完全に水没してました。カーブを越えるたびに岸から押し戻される横波を受け、ヒヤヒヤしながらも進みます。
 いよいよ芝崎の瀬。ここは普段は上と下の二つに分かれているのですが、完全に一つに繋がっているうえ、とくに後半の入り口のドロップなんて、えげつない波の立ち方で、3級クラスにグレードアップしてました。サファリではどうにも越えられる気がしないので、ドロップは回避。無事ゴールに着きましたが、ほとんど漕いでないのに、30分程度で終わってしまいました。
 ゴールの天理教集会所下では、あの天理ウェーブが出現していて、赤や黄色や青の色とりどりのカヤックでとても賑わってました。やがて夕立が訪れ、激しい雷雨となり、再び川が増水し始め、奈良県警のパトカーが来て、川から出ろと警告しても、彼らは漕いでました。すごいですねー。
 私は夕立の間、クルマで爆睡。雨上がり後、神戸に帰るOちゃんを送るのと夕食の買出しに下市口へ向かいます。
 で、ここの酒屋のおばさんに、
 「これから川下るん?」
と聞かれました。いや、もう夜ですし。じゃなくて、フツーの格好に着替えてるのに、なぜ川の人と思われたのか不思議です。
 晩は、久々に川上村の山幸彦・大王が降臨。この日の大王は配下を二人連れていました。小学生の女子と高校生の男子という普段話すことのない面子に当惑しながらも、いつ寝たのか覚えてないくらいに飲みすぎて就寝。大王様、スイス土産のナイフ、ありがたく使用させていただきます。

2004年8月1日(日)
44 予想以上に(由良川2)

水位:0.63m(綾部) 気温:34℃ 天気:曇り時々雨
区間:立岩〜新綾部大橋 メンバー:後輩1号、Oちゃん、Kさん

 今週末は本来は北山を下る予定だったのですが、東から西へ抜けるという珍しいタイプの台風10号・ナムセーウンさんの週末ピンポイント攻撃によって、近畿南部はことごとく大雨となり、北山遠征はあえなく中止の運びとなりました。
 かくして、久々の休みとなったので、土曜は歯医者へ。近頃、歯が痛くて頭痛がひどかったので。レントゲンで診断してもらうと、3本生えてるオヤシラズのうち1本が根っこの部分で膿んで炎症を起こしていて、それが痛みの原因となっていたようです。あわせて、これを機に、欠けたところが虫歯になっている上部左右のオヤシラズも何とかしてもらおうとした結果、3本とも抜いてもらうことにしました。
 というわけで、一気に3本抜歯。歯を抜くなんて、乳歯以来の経験なのですが、まあ何はともあれ、これで虫歯ゼロの健康体に復帰です。
 日曜は、台風の影響で増水している櫛田か奈良吉野を攻めようと思ったのですが、どちらも日曜朝の時点でまだ3mほど増水していて、とてもじゃないが下れる状態になかったため、断念。一方で、長良は0.2m(稲荷)という渇水状態だし、他に行くところがなかなか思い浮かばなかったのですが、日帰りで行ける近場でそこそこ水量のある川として、由良川に行くことにしました。歯を抜いた痕がえらい痛むので、痛み止めを飲んでの出場です。抜いたらすぐ治ると思っていたのに…。
 今回のメンバーは、探検部の後輩1号にヘルニアのO氏に加え、後輩1号さんのゼミの先輩(M2)で、計4名。リンクス、アキレスKXSに3人+ラナを乗せ、私は久々にサファリで出艇。
 ダムの放水(14t)が7時から始まっていたのですが、立岩の水量が増えるのは大体昼近くになるので、それまでメシ作って時間をつぶし、午後からのスタートです。
 後輩1号&ボンボン系先輩コンビのリンクスが、立岩の瀬の一段目と後半の名もなき瀬でラップし、リンクスを真っ二つにした以外はとくにトラブルもなく、のんびりと下れました。由良川といえば、前回訪問時に「汚い」というイメージだけが強く残っていて、とはいえ他に行くところがなく、仕方なしに行った面もあったので、あまり期待はしていなかったのですが、なかなかどうして、適度な間隔で瀬があり、退屈はしませんでした。
 3hかけたダウンリバー後は、「あやべ温泉」へ。新綾部大橋に「山家を左折 4.5km」という看板があったので、行くことにしたのですが、完全に騙されました。山家までが4.5kmで、温泉まではさらに15kmほどあったのです。あの看板、訴えられますぜ、そのうち。

2004年7月25日(日)
43 ラナに友達 !? (天竜川2)

水位:-0.69m(市田) 気温:32℃ 天気:曇り
区間:市田港〜時又港 メンバー:KROさん、Sさん、Uさん、
Tetsuさん、TAKEさん&JET

 強烈な陽射しで目覚め。と同時に、強烈な頭痛に見舞われました。例によって二日酔いです。
 一晩経ってラナは、というと、JETと全く仲良くなっておらず、JETが一定の距離内に入ってくると吠えて追い回すといった排他的な行為を繰り返していました。JETが、というより、犬そのものが嫌いですから、ラナは。でも、嫌いというか、単にいろんな犬とコミュニケーションを取る機会が少なく、慣れていないというほうが原因として大きいと思うので、時間をかけて仲良くなっていってほしいですね。数少ないカヌー犬友達ですし。
 さて今日は、本来は阿寺渓谷を下る予定だったのですが、サファリだのカヌー犬だの、およそクリークを下るには似つかわしくない団体であったため、今回は急遽中止となり、昨日に続いて天竜を下ることにしました。う〜ん、でも、KROさんに教えていただいて写真で見たあの透けるような水と渓谷美が忘れられません。写真見るだに、マイナスイオンが溢れるのを感じる川ですもん。近く、何とか下りたいものです。
 区間は、市田〜時又の12km。実は、テン場横を流れる阿知川も候補に入れていました。なんとか下れる水量ですし、何より水質が抜群に良いので。ただ、下見すると、いるわいるわ釣り師が。というわけで、今回は断念。渓流が禁漁になる10月以降に再訪したいですね。
 この日は、昨日ストレスさえ感じさせるほどわんさかいた鮎釣り師(こんな川の鮎なんて食べても美味しくないでしょうに)が嘘のように、ほとんどいませんでした。昨晩は山のほうで落雷&降雨があり、一部の支流が濁った水を本流に注いだようです。キャンプ地の阿知川出合い付近では、本流は完全に茶色と化していて、一瞬ドキリとしました。市田まで上がると、灰色でしたが、浅くても川底は見えなくなっていました。もともと全然キレイな川ではないので、濁ってもあまり落ち込まないどころか釣り師がいなくなる分、逆にラッキーでしたね。しかし、最近の落雷や局所的豪雨の多さを鑑みるに、いくら晴れていても谷川のそばにテントを張るのは危険かもしれません。
 市田港にある「かわせみの家」にクルマを停めさせていただき、スタートするとまもなく、探検部時代の後輩、「長良川カヤッククラブ(NKC)」の「課長」に久々に出会いました。前日、NKCで千曲川まで遠征していたようなのですが、そこが瀞場だらけでしかも保津以下の水質だったらしく、翌日曜は急遽場所をここに変更したそうです。いろいろ毒を吐いてましたが、社会人になっても相変わらずそうで安心しました。
 釣り師によるストレスもほとんど感じることなく、全員無事時又港に到着。途中でTAKEさんが一回、沈して流されてましたが、終始笑顔で流されていました。昨日ベイダーホールで沈したSさんなどは「死ぬかと思った」とのたまっておりましたが、感覚としてはこちらのほうがまともなワケで、Testuさんといい、「あひるブラザーズ」の連中はどこかネジが一本、緩んでいるか外れているようです(笑)。 

2004年7月24日(土)
42 ハーフマラソン(天竜川1)

水位:-0.71m(市田) 気温:33℃ 天気:晴れ
区間:宮ヶ瀬橋〜阿知川出合い メンバー:KROさん、Sさん

 この日は、信州は飯田の「暴れ天竜」へ。この川は私が新入社員研修で横浜に住んでいた頃、市田〜時又の区間を2回ほど下ったことがあります。信州のイメージと異なり、意外とキタナイし、そのくせ釣り師がやたら多いしと、あまりいい印象を持っていなかったのですが、9月にはここで大会も開かれることですし、事前に何回か下っておきたかったので、KROさんのお誘いに応じました。朝4時半に大阪を出発、KROさんの家にマーチを停めさせていただき、現地へはKROさんのクルマで。
 今回はKROさんにその友人Sさんという先月の櫛田川(6/13・31回目)以来のメンバーで下りました。そういやあの時も15kmくらいの長距離を漕ぎましたが、この日はその1.5倍以上の約24kmというベラボウな距離。KROさんにはじめ計画コースと距離を聞いたときは「ふーん」としか思っていませんでしたが、10km漕いで市田港を過ぎたあたりで、まだ半分以上あると知ったとき、「しまった」と初めて事の重大さに気づきました。が、時すでに遅し。
 メインの鵞流峡(スタートから約15km)へ入った時点で既にバテバテ。時又を過ぎ、天竜峡の瀞場(スタートから約20km)に入ったころはもうやっつけで漕いでました。一日でこんなに漕いだの、初めてではないでしょうか。天竜って結構流れが強くて、瀞場はほとんどないんですけどね。まだまだ修行が足りないなと実感するのでした。
 瀬は局所に面白いのがあって、一番は万年橋手前にある「ベイダーホール」。二連発のキーパーホールが続く瀬で、最初のホール・ビッグベイダーにてSさんは落水。メガネとタオルと帽子という頭に着けていた装備のことごとくを竜神様に奉納しておりました(タオルのみその後、救出)。これと巡り会えた点では、長い距離とってよかったなと思います。
 夜は支流・阿知川のほとりでキャンプ。ここでSさんと同じ「鮫」のメンバー・Uさん、ならびに「あひるブラザーズ」のTetsuさんにTAKEさん&JETが合流。私は、前日までの寝不足と今日の漕ぎで結構疲れているはずだったのですが、なぜかビールが進み、最後のほうまで起きていたのですが、会話の内容はよく覚えていなかったりします(笑)。

2004年7月19日(月)
41 安全と危険と【四国一人旅・二日目】(那賀川2)

水位:-0.41m(和食) 気温:34℃ 天気:快晴
区間:野外活動センター〜水井橋 メンバー:ソロ

 5時起床。ろくに勉強もせず、メチャメチャ寝てしまいました。今日は昨日の続き、水井橋までの13kmを下ります。野外活動センターにフネを置き、水井橋にクルマを停め、8時に昨日同様、自転車でスタート地点へ。灼熱の太陽の下での13kmはラナにはかなりきつかったようで、2kmも走ると、熱中症なるんちゃうかというくらい、息苦しそうでした。水たまりを見つけては浸かり、谷川を見つけては全身に水をかけてやり、オーバーヒート(?)を防ぎながら90分かけて到着。スタートは10時。
 今回の川旅は、初めての川で、しかも単独行というのに自分でも不思議なほど、全然緊張しませんでした。理由はなんとなく分かっています。『全国リバーツーリング55Map』というこの上なく詳細な川地図があるおかげで、スタートとゴールの位置や、どこにどのくらいの瀬があって、どう下ればいいか、事前に把握できているからです。いわば、攻略本を片手にゲームしているようなものですね。
 「次に何があるか分からない」未知の領域は、危険を伴うゆえにとてつもなく恐ろしいものである反面、最高のスリルを生み出す源でもあるのです。今回は、そこが欠けていたのですね。
 ただ、ゲームと決定的に違うのは、川下りはバーチャルではなく、あくまでリアルであること。 とくに単独行では、回収不能の可能性が大きいため、沈は基本的には禁物ですし、まして犬連れなものですから、リスク回避のために、事前に情報を収集し、把握しておくことは必須です。なもんで、今日も事前に例の『55Map』を熟読してから臨むのでした。
 危険を伴うけれども、ゾクゾクするほどのスリルを感じさせる領域と、絶対確保すべき安全の領域と。この二つの領域をどこで線引きするか、いつも考えさせられます。
 話を川に戻しましょう。後半部のメインは、「道の駅鷲の里」を3km弱過ぎたところに連続して現れる、「シキイの瀬」と「鞍返しの瀬」。ラナは昨日にもまして疲れ気味でしたが、昨日の「寝耳に水」沈が、よほど嫌だったのでしょう、瀞場では延々とスターン側で爆睡こいているのですが、瀬の音が近づくと途端に立ち上がって様子を窺っています。
 無事、通過。その後の「〆谷口の瀬」以降は延々と瀞場が続きます。この辺は鷲敷の市街地を抜けたところにあって、とても静か。遠くから微かに蝉の鳴き声が聞こえるくらい。そんな音のない世界で一人、山々に囲まれ、川を漂っていると、何だかとても落ち着いた、優しい気持ちになれます。あくまで、川にいる間だけ、ですけど…。
 ゴールは、12時半。2時間半のツーリングでした。帰りは垂水から深江までの20km以上に及ぶ大渋滞に巻き込まれてしまいました。四国は最高なんですけど、この鬼の渋滞と、明石大橋のボッタクリがね。

ツーリング記録を時系列で載せています。中でもとくにネタになりそうなものは、「川下りレポート(総括編)」に載せます。
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